テレビ静岡 防災特別番組 黒い津波 -見過ごされた盛り土-
テレビ静岡 防災特別番組 黒い津波 見過ごされた盛り土

2021年7月3日に発生し、27人が死亡・1人が行方不明となった静岡県熱海市の土石流は、山の上に造られていた盛り土が被害拡大の要因とされている。盛り土を含む土地は、神奈川県の業者が別荘地造成を目指して開発し、その後売却されたものだ。そこでは、計画をはるかに超える土砂がずさんに積み上げられ、安全対策工事が未完了となっていた。


熱海市や静岡県は、木くずの混入や排水対策の不備などを知り、繰り返し行政指導を行っていたものの、下流に住む住民に危険を知らせることはなかった。

これまでの専門家の調査などで、盛り土が造成された谷は地下水が集まりやすい地形にあったことが分かり、県の難波喬司副知事は「土を積んではいけない場所だった」と指摘する。


安全確保には排水工事がカギとされる中、斜面の排水対策工事について、盛り土を造った前土地所有者は「安く売却したので現所有者の責任」と主張し、これに対するように現所有者側は「危険も、工事の必要性も、何ら聞かされていない」と反論する。両者は5月にも、熱海市議会の特別委員会に証人として出席する予定だ。

一方、大切な家族を失った遺族は「なぜ危険を知らせなかったのか」と、業者だけでなく行政に対しても怒りの声を上げる。県と熱海市の公文書が開示されたことで、業者と行政のやりとりが見えてきた。分かったのは県や市が強い姿勢を示せなかった対応状況で、有識者を交えた委員会で当時の職員への聞き取りを含めて調査が続けられている。


熱海の土石流を受け、全国で危険な盛り土の緊急点検が行われ、法整備も進みつつある。大切な人の命、地域の安全を守るために、住民に何が必要なのかを考える。

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