2018年11月 4日放送 田中ウルヴェ京さん(第2103回)
- 会場
- 焼津文化会館(焼津市)
- 講師
- スポーツ心理学者・博士 田中ウルヴェ京
講師紹介
ソウル五輪シンクロ・デュエット銅メダリスト。米国大学院修士修了(スポーツ心理学)。慶應大学にて博士号取得(システムデザイン・マネジメント学)。慶應義塾大学特任准教授。トップアスリートや経営者など幅広く心理コンサルティングに携わる。一男一女の母。
第2103回「2つの自信」
結果を出してそれを自信にするという話をよく耳にします。
例えばオリンピックで結果を残せなかった選手が
4年後リベンジして結果を出し、自信を持つというものです。
勿論、結果を出してそれを自信にするというのはとても大事な事です。
でもなかなか結果が出ない時もあると思います。
オリンピックだけではなく受験やテスト、ピアノの発表会などもそうです。
一生懸命努力してもちょっとしたミスで点数が少し足りなかったり、
他の人の演奏が上手だったりするとなかなか結果に結びつきません。
努力しても結果を出せない時、人は自分の力の無さに過剰に反応し
「自分は駄目な人間だ!」と感じてしまいます。
私たちは行動から結果を得るために「2つの自信」を使っています。
1つ目は「効力期待」という自信。
2つ目は「結果期待」という自信です。
先程の例にあったような「結果を出して自信を持つ」という行動は、
「結果期待」の自信に当てはまります。
人は何かを成し遂げるために練習や勉強などの「行動」に出ます。
そしてその「行動」の持続のもとに結果が得られた時、
それは「結果期待」と言われます。
しかし忘れてはならないのが、結果が出る出ないに関わらず、
行動を『持続し続けた』という事です。
それは、行動を『やり遂げられる』という自信とも言われます。
これが「効力期待」です。
ダイエットを例に説明します。
「5キロ痩せる事ができた!」というのは結果による自信です。
でもその前に「週に1回、必ずジムに通う!」とか
「毎日15分でもいいから遠くの駅まで歩いて行く!」と決めて、
その行動を「続ける」事ができた自分に自信を持ってもらいたいのです。
それが「効力期待」の自信です。
この自信を持つためには大切な事があります。
それは「過去の経験」と「人からの声かけ」です。
今日は人が持つ「2つの自信」について詳しくお話したいと思います。