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過去の放送

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2012年6月 9日放送 鈴木中人さん(第1791回)

会場
方広寺(浜松市)
講師
いのちをバトンタッチする会代表 鈴木中人

講師紹介

1957年生まれ。
1992年長女の小児がん発病を機に、小児がんの支援活動、いのちの授業等に取り組む。
2005年、会社を早期退職し、「いのちをバトンタッチする会」を設立。
いのちの輝き、家族の絆、生きる喜びなどを全国に発信している。


ポイント第1791回「幸せとは何かを思うとき」

「誰もが幸せな人生を送りたいと思っていますが、それを実感している人は少ないようです。
私は会社に入り、社内結婚をしました。
社宅の小さなテーブルに2つのお皿が並び、幸せを感じました。
数ヶ月後に妻に赤ちゃんができました。
「私、お母さんになるの」と言って涙を流した妻を見て、
「女性が母になるとはこういうことなのか」と思いました。

長女の景子ちゃんが生まれて100日が過ぎ、「お食い初め」をしました。
テーブルの上に初めて3枚の皿が並びました。
その後弟も生まれ、皿は4枚に。
しかし、数年後長女は小児がんにかかり、入院。
妻と長女は病院、息子は私の実家、私だけが家で、お皿は1枚になりました。
景子ちゃんが3年間の闘病生活の末に亡くなり、ふと気がつくと、お皿は3枚に。
同じ3枚でも、2枚から3枚に増えたのと4枚が3枚に減ったのとでは全く違います。

テーブルの上にあったものは「私の心」でした。

子供のころ、私には夢がありませんでした。
大人になっても超現実的な人間でした。
新婚旅行の行きがけにディズニーランドに行き、とても楽しく、ワクワクしました。
そして、「ディズニーランドに子どもと行きたい」という夢をもちました。

数年後、「小児がんの家族」としてディズニーランドに行きました。
景子ちゃんは園内をうれしそうに走り回りました。
私は「今度は普通の家族として来よう」と思いました。

しかし、2年後に訪れたのは景子ちゃんが余命宣告を受けたあとでした。
でも、車イスの景子ちゃんは、憧れの白雪姫と記念写真に納まり、笑顔いっぱいでした。
そして、「お父さんまた連れてきてね」と言いました。
「うん、また来ようね」と私が答えると、「やったー」と弟と二人で大喜びをしました。
それは悲しい嘘でした。

夢は生きる力になります。

景子ちゃんは亡くなる数ヶ月前、病室で家族でピクニックに出かける絵本を描いていました。
そして、ピクニックに行く時、不自由な体でも自分で水が飲めるようにと
ストローつきの水筒を買ってきて欲しいと私にねだりました。
その水筒を景子ちゃんはいつも枕元においていました。

幸せは特別なものでなく身近なところにあります。
大切な人とのかかわりの中でいのちを見つめ、支えあい、寄り添うことで芽吹いてくるのです。

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