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2012年7月14日放送 ピーター・フランクルさん(第1796回)

会場
静浦地区センター(沼津市)
講師
数学者・大道芸人 ピーター・フランクル

講師紹介

1953年ハンガリー生まれ。
1971年数学オリンピック金メダル獲得、ブダペストのオトポス大学数学科入学。
1977年数学博士号取得。サーカス芸人の資格も持つ。
英語をはじめ、11カ国語は大学で講義出来る程度に話せる。


ポイント第1796回「美しい言葉とは」

世界で一番美しい言葉は「日本語」と言いたいところですが、
なかなかそれを判断するのは難しいと思います。

ハンガリーの詩人の言葉に「お母様のくれた食べ物はとても甘く、
お父様からの言葉はとても美しかった」というのがあります。
"母国語"というように、自分が小さいころからなじんだ言葉が誰でも美しいと思えるのです。
ですから、どこの国の言葉が一番かと言う議論は、正面からぶつかると争いになります。

私は、ハンガリーの映画館で黒澤明の映画などを見ていましたが、
そのころは「です」や「ます」ばかりが耳に残って決して美しいとは思えませんでした。
でも、日本に住むようになり、アナウンサーや俳優の言葉を聞いていると
「美しい」と思えるようになりました。
それでも、フランス語より美しいかと聞かれたらそれはわかりません。

詩人は美しい言葉を作りだします。
私は、19世紀のフランスの詩人、ボードレールやランボーを読んだり覚えたりしましたが、
それらを日本の与謝野晶子などと比べたらどうでしょう?

日本でも、和歌や俳句などの中に美しい言葉が見られますが、
どれが一番というのはないでしょう。
特に外国語で書かれたものは、原語で読めないと、単純な比較はできません。
昔、ボードレールの詩を日本の作家が訳した物を読みましたが、
まさにそれはその作家そのものの詩になっていました。

別の角度で比べてみると、"朝"を表わす表現は日本語では早暁、黎明などたくさんありますが、
英語にはそれほど多くありません。
しかし、英語で"歩く"という表現はplot ,trekなど、20以上あります。
フランス語やロシア語など歴史の長い国では、
普通の辞書には載っていない単語が無限と言ってもいいくらいあります。
また、イヌイットの言葉に、雪に関する単語が多いのは、生活に直結しているからです。

また、日本には、西洋にない独自の慣用句があります。
「猫の額」とか、「あごで使う」などです。
それには日本の生活の中から生まれた知恵がつまっています。
ネット時代ですが、そうした言葉を大切にしてほしいと思います。

最近いい言葉を辞書で見つけました。
「ついた餅より心持ち」です。

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