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過去の放送

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2012年8月 4日放送 大豆生田啓友さん(第1799回)

会場
清水白百合幼稚園(静岡市)
講師
玉川大学教授 大豆生田啓友

講師紹介

1965年生まれ。青山学院大学大学院を修了後、
青山学院幼稚園教諭などを経て現職。
専門は乳幼児教育学、保育学、子育て支援。
2男1女の父。子育て本を中心に著書多数。

番組で紹介した本

☆番組で紹介した絵本
・「はらぺこあおむし」(偕成社)
作:エリック・カール 訳:もりひさし

・「しろいうさぎとくろいうさぎ」(福音館書店)
  作・絵:ガース・ウィリアムス
訳:まつおかきょうこ

・「すーちゃんとねこ」(こぐま社)
作・絵:さのようこ

・「おおかみと七ひきのこやぎ」(福音館書店)
グリム童話 絵:フェリクス・ホフマン
   訳:せたていじ


ポイント第1799回「絵本の読み聞かせの意味」

私が幼稚園の教員だったころ、よく絵本の読み聞かせをしていました。
子どもたちは聞きながら、怖い場面や面白い場面では私の顔を覗き込みました。
読み手に共感を求めてくるのです。
子どもとのキャッチボールのようでとても素敵でした。

「はらぺこあおむし」は小さい子たちによく読みました。
ちっぽけなあおむしがいろんなものを食べて、途中、お腹をこわしてしまったりしますが、
やがてさなぎになり、最後にとてもきれいな蝶になります。
そのページをゆっくりと開いてみせると、その瞬間、子どもたちは"ハーッ"と口を開き、
目も星のようにキラキラと輝きます。

「しろいうさぎとくろいうさぎ」は、楽しく遊んでいる2羽のうさぎのうち、
くろいうさぎが突然ふさぎ込んでしまいます。
しろいうさぎが「どうしたの?」と聞いても、くろいうさぎは答えません。
もう一度問い詰めると「ずっとこうして楽しい時が続くといいなあ」とつぶやきます。
実はラブストーリーで、子どもたちも大好きです。
ある時幼稚園で、一人の男の子が、私の所に来てこの絵本を読んで欲しいと言いました。
私が理由を聞くと、その子はその日、友達になりたかった男の子と初めて遊んで、
嬉しかったので、読んで欲しいというのです。

我が家でも子どもが小さいころ、読み聞かせをしていました。
「すーちゃんとねこ」というお話があります。
飛んできた風船をすーちゃんに横取りされたねこちゃんが木の上にいると、
新しい風船がたくさん飛んできます。
たくさんの風船を持ったねこちゃんにすーちゃんが「それちょうだい!」と言う。
ねこちゃんは言われた色の風船を次から次へ空に放してしまう。
仕返しです。
そして最後は手にひとつだけ残った風船を一緒に放す...。

3歳の娘がこの本をいつも持ち歩いていました。
ある時、妻がテーブルにお菓子を置いて子どもたちを呼ぶと、
突然、娘はその前に立って、5歳の兄に向って通せんぼをし、
「ダメ!これぜんぶ私の風船!」と叫びました。
思えば、お兄ちゃんには理由もなくいろんなものを取られることが多かったので、
絵本の中のねこちゃんに自分の悔しい思いを重ね合わせていたことに気付かされました。

子どもは、現実の辛いことを乗り越えるために、ファンタジーの世界を役立てているのです。

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