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過去の放送

過去の放送

2013年5月11日放送 山田パンダさん(第1837回)

会場
裾野市生涯学習センター
講師
ミュージシャン・子どもサポーター 山田パンダ

講師紹介

1945年生まれ。福岡県出身。
1971年南こうせつ、伊勢正三と「かぐや姫」結成。
解散後はソロで活動。現在は全国での講演や東京都内の
小学校で非常勤講師として道徳の授業も行っている。


ポイント第1837回「次世代の未来にエールを」

47歳の時に半年間保育園勤めをしました。
雑巾がけをしたり、子どもに「おしっこ!」と言われて
あわててトイレに駆け込んだり、とても楽しい経験でした。

そのときに子どもの目線で見ると
いろんなことが少し窮屈だなと感じました。
それは、効率や能率が最優先の流れの中で、
大人が知らず知らずのうちに子どもたちにプレッシャーをかけ、
影を落としているのではないかという思いでした。
そして、もっと子どもの目線で世の中を見ることが
必要なのではないかとも思いました。

最近は、小学生が運動場で遊ぶ声に
「うるさい」と苦情を言う人もいるそうです。
それぞれ事情がある人もいらっしゃるのでしょうが、
私たちが子どものころにはなかったことだと思います。

私はいろんなキャリアを持った大人たちが学校に乗り込んで行って、
子どもの顔をじかに見れば、親しみが持てるのではと話して、
ある学校の校長先生と意気投合し、先生として通うことになりました。
いわゆるゲストティーチャーです。

1年生の授業で、自分の60年前の小学校時代のエピソードを話しました。
図工の時間に書いたチューリップの絵に、
私はよくできましたのハンコをひとつもらいました。
でも、周りには2個もらった子や3個の子もいました。
「何で?」と私は思い、あることを考えました。
掃除の時間に先生の机の中にあるハンコを押すことです。

それを聞いた生徒たちは「ダメー」とか「にせものだ!」とか言っています。
でも手遅れです。
60年前の山田少年はそれをやってしまいました。
3個のハンコを押し、私は母親に褒めてもらいたくてダッシュで家に帰りました。
母は、少し怪訝そうな顔をしていましたが「4個ももらったの?」と言いました。

一週間後、家庭訪問がありました。
そこで、母が先生に「うちの子は4個もハンコをもらって喜んでいました」と話すと、
先生は驚きました。
にせものがばれました。
母は先生に「謝らせます」と言い、
先生も「待っています」と言いました。

翌日から学校で言い出せない私は、
ついに6日目になってやっと「先生、僕は悪いことをしました」と謝りました。
そのとき、先生は「ワハハ」と笑いました。
そして、この話を聞いていたクラスの子達も同じように笑いました。

子どもたちはハラハラしながらも、
悶々としていた山田少年と先生の気持ちに寄り添っていてくれたのです。

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