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過去の放送

過去の放送

2013年8月10日放送 落合恵子さん(第1850回)

会場
清水白百合幼稚園(静岡市)
講師
作家・クレヨンハウス主宰 落合恵子

講師紹介

1945年栃木県生まれ。執筆活動と並行して、
子どもの本の専門店クレヨンハウスなどを展開。
総合育児・保育雑誌「月刊クーヨン」や、
オーガニックマガジン「いいね」の発行人。

番組で紹介した本

紹介した本
「自分を抱きしめてあげたい日に」
著:落合恵子 (集英社新書)


ポイント第1850回「自分を抱きしめてあげたい日に」

誰にでも、自分をギューっと抱きしめてあげたい時があります。
子どもを抱きしめることも大事ですが、
自分の心の声を聞いてあげることも必要かもしれません。

日本は2011年の東日本大震災、福島第一原発の事故で、
たくさんの悲しみや苦悩や喪失感を体験しました。
あの日々、そしてそれ以降、私は心がなえそうになり、
何か支えが欲しいと思ったこともありました。

個人的には、7年近く母を介護して見送りましたが、
今では介護しているつもりの自分が逆に母からケアされていたと感じています。
子どもを育てているつもりの親が、自分が育つきっかけをもらうのと重なります。

母を見送り、そうした社会情勢も手伝ってさすがに辛く、
支えてくれる言葉をシェア出来たらいいなと思い、
「自分を抱きしめてあげたい日に」という本を出版しました。

内容は、「バラバラになった自分を縫い合わせたかったら」とか
「道に迷ったと思ったら」とか「日々がちょっと煮詰まったら」などのテーマに対して、
どんな言葉を支えにしたらいいか、
それぞれの章のひとつひとつが「処方箋」になっています。

最愛の連れ合いを亡くした詩人の長田弘さんの詩集を編集させてもらいました。
そこにはこんな言葉があります。
「一人のわたしの一日の時間は、いまここに在る私の一人の時間であると同時に、
この世を去った人が今ここに遺していった時間でもあるのだ」
「亡くなった人が後に遺してゆくのは、その人の生きられなかった時間であり、
その死者の生きられなかった時間を、ここに在るじぶんがこうしていま生きているのだ」

震災のとき、犠牲になられた方々の時間を
東日本より遠いところに暮らしている私たちもいただいているのかもしれないと思ったとき、
これはどこかの地域の悲しい出来事ではなく、
みんなで見つめていかなければならないということもわかるかもしれません。

東日本大震災のとき、海外のマスコミは日本人はなんてお行儀がいいのだろうと言いましたが、
辛いときは辛いといっていいのです。
被災地の子どもがマスコミに登場するとき、いつも元気が強調されています。
でも、子どもだって元気でないこともある。寝ていたいときもあるでしょう。

新川和江さんの詩にあるように、「痛みは自分だけのものではない」と信じることが、
今日を明日につなぐ糧になるのかもしれません。

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