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過去の放送

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2013年8月31日放送 田中ウルヴェ京さん(第1853回)

会場
榛原中学校(牧之原市)
講師
スポーツ心理学者・博士 田中ウルヴェ京

講師紹介

ソウル五輪シンクロ・デュエット銅メダリスト。米国大学院修士修了(スポーツ心理学)。慶應大学にて博士号取得(システムデザイン・マネジメント学)。慶應義塾大学特任准教授。トップアスリートや経営者など幅広く心理コンサルティングに携わる。一男一女の母。


ポイント第1853回「負けず嫌いを考える」

大学4年生のときにソウルオリンピックがあり、銅メダルをとりました。
それまでは、シンクロナイズドスイミングのことだけを考えて生きてきた
マニアックな人間でした。

現役を引退した後、フランスやアメリカで10年間、
代表チームのコーチを務めました。
そのときにジュニアのアスリートを見ながら、
これだけ足が長い選手や柔軟性に優れた選手がいるのにここぞというときに
「負けてもいいや」などと思って、負けてしまうのはなぜなのか、疑問に思いました。

後にメンタルトレーナーになり、プロゴルファーや相撲の力士などと関わってみると、
最後の最後では技術よりも体力よりも負けたくない人かどうかが重要なことがわかりました。
スポーツ選手にとっては大事であるはずの「負けず嫌い」ですが、
選手時代の自分はそれを認めていませんでした。
もし15歳のとき、「田中さんは負けず嫌いだよね」といわれていたら
きっと嫌な気持ちになっていたと思います。

メンタルトレーナーとして考えると、選手にとって、
どんなときでも他人に負けたくないという気持ちは大切な要素です。

ソウルオリンピックでメダルを取ったその日の日記には
「夢にまで見たメダリストになれた。明日からの余生をどうしよう」と書いてありました。
小さい頃から、人に勝つことだけを考えてきた私は、
競技をやめたら「元メダリスト」に浸って、生きていこうと思っていました。

でも、時が経つと、周りはどんどん私のことを忘れていきました。
私は、"有名でない"メダリストなのだと気づきました。
そこには有名なメダリストと比べる自分がいました。
そうしたら、ソウルでの成功でさえも嫌になってしまいました。

その後アメリカの大学で心理学を学んでいたとき、教授に
「悩んでいるらしいね。自分の格好の悪さに気づいたなら素晴らしいよ」と言われました。
「どういうこと?」と私は思いました。
その教授は、「落ち込めたらその人はそこから次はどうしたら人のために役に立てるのかを考えるようになる。
谷から登る経験が大事だ」とおっしゃいました。
そして、谷から登るときに自分が何をしたのかを思い出すといいと。

お母さんたちには子どもに自分の失敗談を話して欲しいと思います。
自分も人と比べられて嫌だったことを話せれば、
人によって目指すものが違うことを伝えられると思います。

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