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過去の放送

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2013年11月 2日放送 鎌田實さん(第1861回)

会場
清水町地域交流センター
講師
医師・作家 鎌田實

講師紹介

1948年東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。
諏訪中央病院名誉院長。地域医療に携わる傍ら、
イラクや東日本の被災地支援にも取り組む。
「がんばらない」、「大・大往生」など著書多数。

番組で紹介した本

「鎌田式健康ごはん」 (マガジンハウス)


ポイント第1861回「カマタ式健康法」

39年前、東京の大学を卒業して 
長野県茅野市にある諏訪中央病院に就職しましたが、
行ってみると累積赤字を抱え、
オンボロで「来る前に見ておけばよかった」と後悔したものです。

赴任してみて、この地域にはとても脳卒中が多いということが分かりました。
当時、秋田県が脳卒中死亡率第1位、長野県は第2位、
茅野市は長野県内でダントツの第1位でした。

脳卒中は病院が助けても半身麻痺などの後遺症が残ることが多く、
住民から見れば、助けるよりも予防することに重点を置いたほうがいいのではと
考えた私は、年間80回の講演活動を始めました。

まず、塩分の摂取量の多い地域でしたので、そこから始めました。
この病気の患者の10人に9人は塩分の摂取量と関係があるということから、
これを減らせば脳卒中も心筋梗塞も脳血管性の認知症も減るという話をしました。

当時は介護保険もなく、そうした病気にかかれば家で苦労するのは女の人でしたから、
女性たちには切実なことで、熱心に話を聞いてくれました。
そして、講演が終わると「先生の話はとてもよかった」と言って、
お茶と一緒に山盛りの野沢菜を出してくれました(笑い)。

専門用語で言う「行動変容」(生まれてこのかた培われてきた行動のパターンを
望ましいものに変えていこうということ)はとても難しいと感じました。
頭で理解しても、行動がすぐには伴わないのです。

減塩については、味噌汁の中に2グラムの塩分が入っていたのを、
減らすことを考えました。
私の話を聞いてくれた人は努力して1,5グラムまでは行ったのですが、
それ以上は男性が拒否反応を示し、そんな薄い味噌汁が食べられるかと言って、
家庭の雰囲気が悪くなるという話もありました。

そんな折、地域の食生活改善推進員や保健補導員というヘルスボランティアの人たちが
一緒になって考えてくれたのが「具だくさん味噌汁」です。
男性の思いを満たすため、味噌汁の具を多くすることで味は濃いものの、
汁が少なくなり、結果として塩分が減りました。

これで塩分は、2グラムから0.7グラムに激減、
その後、野菜を多く取る運動を続けたことで、
長野は1990年代に男性が長寿日本一に、2013年2月には男女とも日本一になりました。

難しいことをやるのではなく、
小さなことでもやり続けたことが秘訣といえるでしょう。

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