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過去の放送

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2013年11月23日放送 竹下和男さん(第1864回)

会場
浜松学院大学付属幼稚園(浜松市)
講師
子どもが作る“弁当の日”提唱者 竹下和男

講師紹介

1949香川県生まれ。香川大学教育学部卒業。
香川県・滝宮小学校の校長在職中、2001年に
子どもひとりで作らせる"弁当の日"を始める。
実践校は全国2400校以上に広がっている。


ポイント第1864回「味覚が育む親子の絆」

子どもだけで弁当を作らせてみませんかという取り組みを始めて
13年たちました。
全国から色々な反応が来るようになりましたが、
ある時私の講演を聞いていたお母さんが、
「私が熱を出して寝ていたら、主人が子どもと一緒に枕元に来て、
腹が減ったから飯を作れと言うのです。
無理だと言うと、じゃあ、外で食べてくると言って出て行きました。
私は情けなくなりました」と話してくれました。

この話を、弁当の日の実践校でしたところ、
小学6年生が「ひどい、そんなときは子どもが自分で作ればいいのに」と言うのです。
弁当の日を経験しているからこそそれが自然に言えるのです。

小学生たちはとても賢いと思います。
弁当の日、子どもたちは登校してくるとすぐ、
お互いの弁当箱の中身を見せ合います。
「オレ、これ作ったぞ」と言いながら。
でもおかず全部を作ったとは言いません。
「お前の玉子焼き、レトルトだろう。オレはちゃんと作ったぞ」
などという会話が交わされます。
他の子がそれを見て、
「あいつ玉子焼きの隣の唐揚げの話をしないぞ、作ってない」となる。

ある子は「お米研いだぞ」と言う。
お米を研いだことを自慢して教室を歩き回ります。
「米を研いだら流しにこぼれて拾うのが大変だった」
「専用のザルでやればいい」とか「でも、指の隙間からゆっくりと水をこぼせば大丈夫」とか、
米を研いだ同士のリアリティに富んだ会話が弾み、
『お米研ぎ同盟』が出来上がります。
そしてそれを見たほかの子は、今度は自分が家でやってみようと思うのです。

私が最初に"弁当の日"を実践した香川県の滝宮小学校では、
5年生になって弁当を作れない子は一人前でないという意識がすっかり出来上がっています。

その滝宮小学校の図書館には、子どもたちの得意料理のレシピ集が置いてありますが、
調味料の分量を書く欄には皆『適当』と書かれていました。
そこまで味覚が発達したことに私は感動しました。

弁当の日の狙いは、まさに「適当」で作れれば料理が楽しいことや、
料理を作って喜ぶ家族がいることを知り、好奇心が刺激されることです。

やりたいと思う時期に、
家の人が「何を余分なこと」と言わず、
見守ることが大切です。

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