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2014年3月15日放送 小菅正夫さん(第1879回)

会場
広見小学校(富士市)
講師
札幌市円山動物園参与 小菅正夫

講師紹介

1948年北海道生まれ。
北海道大学獣医学部卒業後、旭川市旭山動物園に獣医師として勤務。
飼育係長、副園長を経て1995年園長に就任。
現在は札幌市環境局参与円山動物園担当。


ポイント第1879回「ヒグマの親子に学ぶ」

地球上には何種類のクマがいるでしょう?
実は、8種類で、そのうち、ヒグマとツキノワグマの2種類が日本にいます。
ツキノワグマは残念ながら、九州にはいなくなり、四国も危ないと言われます。
でも、中部や東北の山地には今も1万5千頭以上が生息しています。

北海道のヒグマは私が動物園に入ったころには3千頭くらいいると言われていましたが、
今では2千頭くらいに減っています。
それでも、人口540万人の島に2千頭いて、
人口190万人の札幌市では、電車通りに時折クマが出てきます。
こんな大きな都市に人とクマが共生していることは、世界的に珍しいのです。

ヨーロッパにはクマの祖先がたくさんいました。
しかし、イギリスでは11世紀に、ドイツでも19世紀に絶滅しました。
それは、クマと人が一緒に暮らすことは無理だと思われていたからです。
ヨーロッパの人々は、日本がこんなに小さな島国で2種類のクマと共生していることを
とてもうらやましく思っています。

9月頃のヒグマは、まだ体がスリムです。
でも、このあと、クマはどんどん食べて、10月末にはゴロンとした体形になります。
ヒグマのすごいところは、なんでも食べることです。
冬に食べ物がなくなると「冬ごもり」をします。
自分の体がすっぽり入る穴を掘ってその中で冬を過ごします。
そして、メスはこの冬ごもりの時に赤ちゃんを産み、育てます。

旭山動物園でも赤ちゃんが生まれました。
母親は250キロもあるのに赤ちゃんは40グラムです。
そして、外界にとらわれることなく穴の中で誰にも邪魔をされず、集中して子育てをします。
赤ちゃんは自分で排せつが出来ないのでお母さんが体をなめて促します。
排泄物は母グマが全部食べてしまうので穴の中はとてもきれいです。

穴から初めて外に出た子グマは不思議なことに、
初めて見た太陽にも驚くことなく、すぐにあちこち歩き回ります。
木を見つけて登ったものの、降りるのが下手なので、
お母さんめがけてダイビングして降りることができました。

子どもたちは最初の一年、お母さんに餌の取り方などを教わり、
一緒に冬ごもりをして、翌年の春に穴から出てくると、
お母さんが子別れをして、たった一頭で生きてゆくようになります。

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