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過去の放送

過去の放送

2014年7月19日放送 山田パンダさん(第1896回)

会場
清水岡小学校(静岡市)
講師
ミュージシャン・子どもサポーター 山田パンダ

講師紹介

1945年生まれ。福岡県出身。
1971年南こうせつ、伊勢正三と「かぐや姫」結成。
解散後はソロで活動。現在は全国での講演や東京都内の
小学校で非常勤講師として道徳の授業も行っている。


ポイント第1896回「殻を破ろう」

世の中は今、効率や能率が優先で
「明るくいこうぜ」とばかり、
マイナスな面は強調されずにいる気がします。

家の中でも会話はメールが優先、
お互いに思っていることが
表に出て来ないようになっています。
小学校の講師や、
小学生の作文コンクールの審査員をつとめ、
子供の目線で見ていくと、
いつかいじめにあった子たちの我慢の風船が
破れてしまわないか心配になります。

いじめられたら家で両親に話せばいいと言うと、
子供たちは父母が忙しくて
話すと迷惑になるからと言います。
そんなことを話したら両親が悲しむのではとも。

プラス思考で
いい環境だけを考えようということですが、
ここに殻を破るチャンスがあります。

大人になるまでには
沢山の辛いことや挫折があります。
それを今話さなくなってきています。

お父さんが「俺も昔辛いことがあった」などと
経験を話してあげれば、
「そうなのか」と、子供の気持ちは楽になります。
父も母も頑張ってここまで来たと言うのでは
子どもはしんどいわけです。

私が育った昭和のあの頃、
隣近所はあけすけで夫婦喧嘩の声すら聞こえてきました。

今はお互いにバリアーがあって、
良い夫婦、良い家庭を演じている部分があります。

昔、厳格な父を母親がフォローしていた
我が家でのことです。

会社の後輩の結婚披露宴に呼ばれ、
得意の歌を披露することになった父は、
当時のヒット曲を歌いましたが、
歌詞が披露宴にはふさわしくなく、
家に帰って家族から散々に非難されました。

それから1週間、
父はひどく落ち込んでしまいました。

普段厳格で非の打ちどころがないだけに、
そんな父の姿は僕の心に変化をもたらしました。
父が可愛いと初めて思ったのです。
  
父と自分の垣根がとれた感じがしました。

父を思いだす時、
楽しかったことよりも決まって出てくるのが
この父の苦渋に満ちた表情です。

僕自身が殻を破ったと思ったのは、
47歳で幼稚園に初めて行った時のこと、
20代の若い保育士の方に雑巾がけを頼まれ、
一度終わると
「きれいになっていませんよ」と叱られてしまい、
もうやめて帰ろうかと思った時、
園児たちがそばに来て、僕を見つめました。
 
そのインパクトのある表情に僕は、
「すみませんでした。もう一回やります」と
言うことが出来たのです。

47歳で、見栄や外聞といった
鎧かぶとを脱ぎ捨てることが出来、
僕はそこから人生がとても楽しくなりました。

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