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過去の放送

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2014年7月26日放送 古市佳央さん(第1897回)

会場
菊川文化会館アエル(菊川市)
講師
オープンハートの会 会長 古市佳央

講師紹介

1971年東京都生まれ。
高校1年生の春、
バイク事故で全身の41%にやけどを負うが
奇跡的に一命をとりとめる。
現在は障害者と健常者の垣根をなくし、
生活の質の向上をめざすオープンハートの会の運営や
講演活動を行っている。


ポイント第1897回「生きる意味とは」

16歳の時、バイクで事故を起こし、
大やけどを負って、33回の手術を受け、
3年間の入院を経験しました。
その1分前まで、今日も普通に家に帰り、
普通に寝るものと思っていました。
でもまさかの出来事が自分の身に降りかかりました。

救急救命センターで衣服をはぎ取られ、
消毒のお風呂に入るのを想像してみてください。
僕はあまりの痛さに気絶してしまったほどです。

病院に来ていた姉は泣き叫び、
母はその場に立っていることが出来なかったそうです。

僕は毎日、
何故だ、何故自分がこんな目に遭うんだと
後悔ばかりしていました。

そんな中、
母親は毎日欠かさず病院に来てくれました。
頼れるのは母親だけでした。

それまで、16歳の自分には
親への感謝の気持ちなどなく、
初めて最大の味方が母だということに
気付かされました。

入院中にガンの患者さんが亡くなる姿を見ました。
毎日、その人の奥さんと娘さんが見舞いに来ていて、
いつも笑顔で会話し、笑顔で帰って行きました。

その日も同じように
「また明日ね」と笑顔で帰って行ったのですが、
そのあと容体が急変し、
あっという間に亡くなってしまいました。
奥さんと娘さんは間に合いませんでした。

娘さんが泣き叫ぶ姿を見て僕は、
「もしも僕が死んでいたら、
同じように家族が悲しんだのか」
「死ななくてよかった」と思いました。

その人が亡くなってベッドが空き、
それを見ていると、
「人が生きていることはすごいことだ」と感じました。

その人が生きているだけで、家族に笑顔を与えていた。
当たり前という幸せを与えていたのだと
つくづく思いました。

東日本大震災で被災した岩手に50回ほど行きました。
ある時、お花見のカラオケ大会で
明るく歌っていた40歳くらいの男性がいました。

その人と話をしていると、
突然携帯の画面を僕に見せ「可愛いでしょ」と言います、
「可愛いですね」。
それは震災で亡くなった6歳の娘さんのものでした。

「流されちゃった。嫁も、両親も...。」

その人は家もなくしていました。
テレビで、
再会した家族の映像が流れることがありましたが、
皆抱き合って喜んでいました。

それは、今生きていることが当たり前でなく、
"奇跡"なのだと気付いたからです。

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