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過去の放送

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2014年8月16日放送 バイマーヤンジンさん(第1900回)

会場
裾野市生涯学習センター(裾野市)
講師
チベット声楽家 バイマーヤンジン

講師紹介

チベット・アムド地方出身。
名前はチベット語で「蓮の花にのった音楽の神様」の意味。
中国国立四川音楽大学卒業。
1994年来日後、全国でコンサートや講演を行い、
チベットの学校建設にも力を注いでいる。


ポイント第1900回「大好きな日本の歌」

20年前日本に来ましたが、
最初は日本語もわからず日本の歌を歌うことはできませんでした。
でも少しずつ聞いているうちにびっくりしたことがあります。
それは、生まれた環境が違うのに、
何故こんなに涙が出るのかということです。

その中の一つは「仰げば尊し」です。

二十四の瞳という映画で、運動場に生徒と先生が向き合い、
この歌を歌いながら泣いているシーンがありました。

その姿を思い出すと今でも涙が出そうになります。

チベットの私の高校は家から300キロも離れていて、
下宿をしていました
。校区内に先生も住んでいて、
色々と生活の面倒を見てくれました。

その中で音楽の先生が私の歌を聞いて、
ぜひ音大に行くようにと勧めてくれました。
私のようなものが合格することは奇跡だと思いましたが、
その先生は合格通知が届いた時、それを持ってきてくれ、
涙を浮かべながら、声にならないような声で
「ヤンジン、合格だよ」と言いながら手渡してくれました。

先生はそこまで私のことを思ってくれていたのです。

人生にはいろいろな分岐点がありますが
私にとっての最大の分岐点はこの先生が導いてくれました。

今でもこの歌を歌いながら先生のことを思っています。

「身を立て名を上げ」という歌詞も
座右の銘のように感じています。

私の親は字が読めません。
25人いる従兄弟たちの中で字が読めるのは2人だけです。
11人兄弟の長男は一度も学校に行けませんでした。 
貧しく電気も来ない、そんな村で色々な苦労をしながらも
両親は9番目の子どもである私を学校に通わせてくれました。

そして両親は私に
「あなた、字が読めるのでしょう。だったら人を助けなさい。
病院に行って薬の名前を教えてあげなさい。
大学まで出たのだから世の中のためになることをしなさい」と言いました。

「名を上げ」と言うのは決して有名になることではなく、
自分の名前を汚さず、信頼される人になれという意味だと思います。

親から言われた言葉がこの歌詞の中にありました。
日本にいると人のために何かするというよりも、
自分が何も分からず、弱さ感じてしまうこともありますが、
この歌を知ったことで、
私は自分が勉強してきた原点に戻れたと思っています。

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