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過去の放送

過去の放送

2015年5月24日放送 立川談慶さん(第1938回)

会場
北浜中学校(浜松市)
講師
落語家 立川談慶

講師紹介

1965年長野県生まれ。慶応義塾大学卒業。
3根完夫サラリーマン経験を経て、落語の道へ。
立川談志18番目の弟子。2005年真打昇進。
本格派(本書く派)落語家、著述業でも活躍。

番組で紹介した本

「大事なことはすべて立川談志に教わった」 著者:立川談慶(KKベストセラーズ)

ポイント第1938回「師匠・立川談志に教わったこと」

 談志師匠から教わったことは私のみならず

皆様にもお役に立つと思います。

 落語家になるシステムは、まず見習いから始まり、

そこをクリアーすると前座になり、師匠の前の回を務めたり、

着物をたたんだりします。

そのあと、立川流では落語を50席覚えて、

踊り、歌、太鼓をやり、師匠が認めれば

二つ目に昇進、着物が着られます。

さらに100席の落語を覚えて歌舞楽曲の精度が上がって、

師匠のお墨付きをもらうと真打になります。

談志師匠は言葉の定義が好きでした。

例えば、「新聞で正しいのは日付だけ」とか

「環境保護というけれど、本当の環境保護は人類滅亡だ」とか、

ブラックのようですが真理を突くことを言っていました。

師匠は落語に対しても定義をしました。

それは落語とは「人間の業の肯定」というものでした。

人間の弱い部分、やめろと言われてもやってしまう、

そんな弱さを認めてやるのが落語というわけです。

落語がこの世に登場して300年で初めて、

師匠は落語というものを定義しました。

「一眼国」という落語があります。

この山の向こうには一つ目小僧の住む国があり、

その国に行ってその小僧を捕まえ、

見世物にして儲けようとたくらんだ二人の男が、

逆にその国に行くと(二つ目があることが)珍しいと言われ、

捕まって見世物になるという話です。

この空間で通用しているものはこの空間だけのもの、

他では通用しないよという話です。

落語はその一眼国の登場人物も受け入れ、認めるのです。

私はよく、中学校や小学校に出かけて話をします。

落語にはいじめがありません。

何か変わったことをしたり話したりしても、

その人を排除しないで受け入れる。

そのことで笑いが生まれる、落語のすごさだと思います。

師匠の定義の中に

「修業とは矛盾に耐えること」というのがあります。

師匠は「俺を快適にしろ」とも言っていました。

具体的な指示でなく、いつも抽象的な指示ばかりでした。

師匠は具体的な指示を出せば、自分で考えなくなり、

本人の可能性の芽を摘んでしまうと考えていたのかもしれません。

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