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過去の放送

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2015年10月 4日放送 バイマーヤンジンさん(第1954回)

会場
地球市民かながわプラザ(横浜市)
講師
チベット声楽家 バイマーヤンジン

講師紹介

チベット・アムド地方出身。
名前はチベット語で「蓮の花にのった音楽の神様」の意味。
中国国立四川音楽大学卒業。
1994年来日後、全国でコンサートや講演を行い、
チベットの学校建設にも力を注いでいる。


ポイント第1954回「日本に生きる素晴らしさ」

今、地球が1つの村と言われるぐらい

世の中はグローバルになりました。

日本には約200万人の外国人がいて、私もその1人ですが、

皆さん国や地域、民族、言葉が違い、感じ方も違うと思います。

そこで今日は私がチベット人として感じた日本をお話します。

 日本に来て、私は自分が歌手でよかったと思っています。

なぜかというと、たくさんの日本の歌と出会ったことで、

今ではあまり感じられない

日本の歴史や日本の心を学ぶことが出来たからです。

チベットでは近くに本屋がありませんでしたが、

私は日本では本が大好きで本屋によく行きます。

歌手ですから、やはり音楽のコーナーに足が向きます。

ある時、昭和の歌の本が3冊あったので、

そのうちの1冊を手に取り中を見ると、

「父母の声」という歌がありました。

メロディが簡単だったのでその場で口ずさんでみました。

「太郎は父の故郷へ、花子は母の故郷へ」という歌詞を

何のことだろうと思いながら、なんとなくメロディが好きだと思ったので、

本を買って家に持ち帰りました。

パソコンで調べてみて、ビックリしました。

終戦の直前の学童疎開のことを歌にしていたのです。

大都会では空襲が怖いので、

大事な国の宝である子どもたちを

父や母の田舎に避難させたという歴史的な出来事が歌になっていました。

私はこの歌を知って、

自分たちが毎朝子どもを学校に見送ることや

仕事に行ってくるねと出かけることがなんと幸せなのかと思い、

感動して、この歌をコンサートのレパートリーに入れました。

日本に来てからずっと義父や義母と一緒に暮らしてきました。

ある時2人が出かけている間に家の和室の棚を見ると、

かわいい人形がしまってありました。

もったいないと思い、それを出して自分のピアノの上に飾りました。

母が帰って来て、「あかんあかん、まだその時期やない」と言います。

まだ日本語もよく理解できなかったので、

そのときは母の言葉の意味も分かりませんでしたが、

それはお雛様でした。

そのことを知ったのは3月になり、

どこからか「うれしいひなまつり」の歌が流れてきた時でした。

そんな風にして私は歌を通して日本の文化に触れて来ました。

だから本当に自分が歌手でよかったと思うのです。

チベット人でよかったと思えるのは、

チベットでは小さいころから貧しく、

いつもお腹がすいていて大変な時もあったけれど、

貧しいチベットでの暮らしがあったからこそ、

日本に来て日本に生きる幸せを倍増させてくれたことです。

和歌山の海を見たときは体が震えるほど感動したし、

京都の紅葉や奈良の千本桜も素晴らしかった。

中でも一番感動したものは、

日本の家の中が機械だらけだということでした。

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