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過去の放送

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2016年7月 3日放送 きたやまおさむさん(第1991回)

会場
菊川文化センターアエル(菊川市)
講師
精神科医・作詞家 きたやまおさむ

講師紹介

1946年淡路島生まれ。京都府立医科大学卒。
北山医院院長を経て、九州大学名誉教授。
白鴎大学副学長兼特任教授、国際基督教大学客員教授。
作詞家としての代表作は
「戦争を知らない子どもたち」
「あの素晴らしい愛をもう一度」など。
著書多数。


ポイント第1991回「性格の二重性」

人には生き方、考え方に表と裏があります。

本音と建前、公と私という言い方もできます。

 人格というものは2つに分かれて存在するのです。

例えば今日この場所に身も心もここに来た、と言う人は少ないと思います。

 私も約束をしていながら、今朝起きてここに来るまでに、

行きたくない、面倒くさいなと一瞬思いながら(本音)、

でも約束だから行こう(建前)と思ってやってきました。

 皆さんもそうです。

外部からの要請に答え、元気なふりをしていることもあると思います。

世の中というのはステージ、劇場のようなものです。

 髪の毛が本当は白いのに黒く染めている人もいます。 

医者通いをしながら、人に「元気?」と聞かれれば「元気!」と答えているのです。

 このように考えてみると、

会社や学校に行きたくないと言う人の気持ちがよくわかります。

皆、その気持ちを押さえて、あるいはためて、一歩外に出ているのです。

 辞書で「うら」を引くと「心」という字が出てきます。

「うらさびしい」とか「うら悲しい」と言うときに使われる「うら」です。

 つまり表に対して、心の闇や奥にある見えないところです。

 本人も気づいていない心の中。

「あの人をいじめてやりたい」など、恨み、つらみといったものは、

表には出してはいけないものです。

 もしそれが行動に出れば問題となり、ひいては犯罪となります。

 私は野球が大好きです。

野球は1塁で刺され、2塁で殺され、3塁で盗むこと(という表現)が

許されているスポーツです。 

見ている人は「殺された」と言って拍手をしています。

 健康のためにはこうしたことは大切です。

裏にも価値があるのです。

 二重性を持った人間の心に、憂さがたまれば心の便秘を起こします。

爆発する前に、家の中で家族に向かって"吐いて"いたりします。

心というのは胃袋と同じです。

心も嫌なものを入れすぎれば消化できずにいつか吐き出したくなります。

野球を見るのもアクション映画を見るのも

その解消方法としてのはけ口であることがあります。

心は裏側にあって簡単には出せないものですが、

それを吐き出せるような相手がいたら素晴らしい人生の宝になるでしょう。

そうしたことによって心が浄化されることを私たちは「カタルシス効果」と呼んでいます。

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