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過去の放送

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2016年10月23日放送 大棟耕介さん(第2005回)

会場
相良総合センターい~ら(牧之原市)
講師
ホスピタルクラウン 大棟耕介

講師紹介

1969年生まれ、愛知県出身。筑波大学卒業。
2020年に「クラウン・オブ・ザ・イヤー」を受賞。
病院を回る「ホスピタルクラウン」の活動をはじめ、
被災地や戦地へも笑顔を届けている。


ポイント第2005回「クラウンの被災地支援活動」

皆さんは3.11の地震の時、どちらにいましたか?

僕は名古屋にいたのに、阪神淡路大震災の時以上に長く、

大きい揺れに不安を覚えました。

 でも、名古屋では停電もなく、飛行機も飛んでいたので、

不謹慎なことに僕は翌日アメリカに飛び、

世界道化師協会のコンベンションに参加したのです。

ですから、ニューヨークで東北の悲惨な映像を見ていました。

すると、現地の友人たちが寄付を集めてくれました。

僕は予定を早めて日本に戻り、

3月の末、東京駅からバスを使って郡山に入りました。

郡山のビッグパレットは3000人が入る大きな施設です。

パフォーマンスをする前に、私服で付近を歩くと、

段ボールで仕切られた狭いエリアで生活する人たちの顔は皆ぼーっとしていて、

これではとてもパフォーマンスをするなんて無理だと思いました。

そもそも日頃からホスピタルクラウンとしてパフォーマンスをしている僕らは、

病院の子どもに対して一方的にパフォーマンスをするのではなく、

彼らから病室に"招待されている"というスタンスですから、

この時もただ黙って施設の入口に立っていました。

すると、興味を持った人が近づき、「あんちゃん、何かやってくれるの?」と聞いてきました。

そこで僕が小さなマジックをやると「面白いな、他には?」とさらに聞くので、

今度は風船を作りました。

すると「可愛いな、あそこにいる子どもにも作ってあげてくれ」と言って

先導しながら連れて行ってくれました。

そうしてだんだんと中に入っていき、今度は少し大きめのパフォーマンスをしました。

すると人が集まってきました。

クラウンのパフォーマンスはもともと彼らが持っている力を引き出すこと。

震災で蓋をしてしまっているものをそっと開けるきっかけを作ること。

彼ら自身が優しい雰囲気を作るお手伝いをすることなのです。

僕らのパフォーマンスはじわじわと、ゆっくりと広がっていきました。

パレットの担当者が

「クラウンなんて子どもだましだと思っていたけど、すごいね。

余韻、余熱が残るね」と言ってくれました。

5月になると実際に津波が襲ったエリアに入ってパフォーマンスをしました。

僕はあえて小さな避難所をえらび、何度も行きました。

「また来るね、と言って本当に来るのはあんただけだ」と言われました。

避難所にはいろいろな人がいて、絆というものがだんだんと失われている現状も感じました。

そこで僕はここで夏祭りをやろうと決めたのです。

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