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過去の放送

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2017年5月21日放送 大豆生田啓友さん(第2034回)

会場
大富公民館(焼津市)
講師
玉川大学教授 大豆生田啓友

講師紹介

1965年生まれ。青山学院大学大学院を修了後、
青山学院幼稚園教諭などを経て現職。
専門は乳幼児教育学、保育学、子育て支援。
2男1女の父。子育て本を中心に著書多数。

番組で紹介した本

紹介した本 「ぐりとぐら」 作:中川季枝子/絵:大村百合子 (福音館書店) など。

ポイント第2034回「絵本を真ん中に」

皆さんは絵本に出会った事を覚えていますか?

私は「ぐりとぐら」という絵本の

生誕50周年によせてコメントを書きました。

日本には「ぐりとぐら」があって本当に良かったと。

私が教えている学生たちにアンケートを取ったら

9割くらいの学生が「ぐりとぐら」に出会っていたんです。

内容やエピソードについてもほとんどの学生が

覚えていたんですね。

また誰に読んでもらっていたかも覚えていました。

これは小さい頃に経験した事が大きくなっても

繋がっているという事なんです。

という事は小さい頃に読んでもらう絵本が

子育ての上で大切な事、

もっと真ん中に来てもいいのかなと思うんです。

たとえば「いないいないばあ」という本があります。

この本をお母さんが赤ちゃんを連れてくる

講演会で読んだんです。

この本は赤ちゃんが大好きな本です。

「くまさんが、いないいないばあ・・・」って

顔を隠して読んで「ばあ」という時に出すと

赤ちゃんが私に寄ってくるんです。

赤ちゃんは顔が大好きなんですね。

最初は顔を隠していると

何だろうという興味を持つんです。

そしてその興味は出てきた顔に移ります。

その後、横にいる自分のお母さんの顔を見て

ホッとするんですね。

赤ちゃんは人の顔を見ているんです。

その表情からこの人は怒っているのか

楽しんでいるのかわかるんです。

「くだもの」という本は、

「はいどうぞ」というだけの本です。

話に何のオチもありません。

でも「はいどうぞ」って赤ちゃんに読んであげると

赤ちゃんは口をあけるんですね。

これもコミュニケーションのためのツールだと思うんです。

ある時、保育園である子どもが鼻をほじっていて

血が出たんですね。するとその子が私に

「先生、今日は血が出ちゃう絵本を読んでほしいな」

って言うんです。

「何で?」と聞くと

「鼻血が出たから。

先生は今日、こういう事があったから

こんな絵本を読むねってって言うじゃない」と言うんです。

そこで「ちのはなし」という絵本を読んだんです。

この本は小さな子どもに読み聞かせても

専門的な難しい言葉も出てくるので、

どうかなと思っていたんです。

感想を聞くと「良かった!」と言ってました。

話を聞いていたその他の子どもたちも同じように

「そうなんだ」とか「へ~」といったように

クラス全体が盛り上がりました。

普段から絵本を読み聞かせていると

クラス全体にそんなコミュニケーションが知らない間に

出来上がっていたんですね。

一杯絵本を読んでもらって育った子どもは

つらい現実も絵本のファンタジーの世界に置き換えて

受け入れていく力が付きます。

そしてそれは大人になっても続いて行くんです。

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