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過去の放送

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2017年7月 9日放送 山元加津子さん(第2040回)

会場
菊川文化会館アエル(菊川市)
講師
作家・エッセイスト 山元加津子

講師紹介

1957年、金沢市生まれ。
富山大学理学部卒業後、小学校の先生を経て、
2014年3月まで石川県内の特別支援学校に勤務。
現在は作家、エッセイストとして活動。
旅行記、イラストなどの制作も行っている。


ポイント第2040回「人の幸せを願う」

今回はブータンの話をします。

毎年、夏になると友達と旅行に出かけます。

ある時パソコンで動画を見ていました。

それは青年海外協力隊としてブータンで体育教師をしていた

関健作さんという写真家の方が撮った作品でした。

関さんが男の子に「あなたはどんな時が幸せですか?」と聞くと

「家族が幸せそうにしている時。」と答えます。

女の子に聞くと「おかあさんが笑っている時が幸せです。」と。

人の幸せを願っている子どもを見て私はすごく感動しました。

そこで関さんに連絡して、私の友達と一緒にブータンに行きました。

ブータンでバスに乗って移動している時に

「ブータンの子どもたちは写真を撮ってもらったり、

手を振ってもらうのが好きなんですよ。」と関さんが教えてくれました。

そこで、私がバスから手を振ったら、子どもたちだけでなく、

おじいさんやおばあさんも手を振ってくれました。

ブータンの小学校を訪問した時、私の友達が、

学校に教育目標が書かれているのを見つけました。

そこには「他の人のことを祈れる子どもを育む」と書いてありました。

授業を見せていただいた後、私は子どもたちに聞きました。

「将来の夢は何ですか?」

ある男の子は、「医者になりたい。」と答えました。

「なぜ?」と聞くと、

「病気で苦しんでいる人を幸せにしてあげたい。」と言うのです。

次に女の子に同じ質問をしました。

「先生になりたい!」

「なぜ?」

「子どもたちを幸せにしたいから!」

私は子どもが自分の夢を語る時、

「お金持ちになりたい!」とか「きれいな服が着たい!」など

自分の幸せを優先する答えが返ってくると思っていました。

次の男の子に聞くと「サッカー選手になりたい!」と答えました。

これが普通の子どもの答えだと思ったのですが、理由を聞くと

「一生懸命頑張って多くの人に夢と希望を与えたい!」と言うのです。

養護学校も訪問しました。

ダウン症の幼い子どもが私の手を引っ張って

高校生くらいの子どものところに連れていってくれました。

その子は目が見えません。

でも私の顔を両手で包み込むように挨拶し、

私を感動させてくれました。

人が仲よくなるのに言葉はいらないのだと感じました。

ブータンは決して裕福な国ではありません。

でもブータンの人々はお経の書かれた旗を

自分のお金で買い山の上に立てます。

「ここでお祈りをした人々の優しい思いが

風にのって世界中の人たちに届きますように。」と。

本当に人の幸せを願っている国でした。

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