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2017年10月22日放送 ダニエル・カールさん(第2053回)

会場
雄踏文化センター(浜松市)
講師
山形弁研究家・タレント ダニエル・カール

講師紹介

1960年アメリカ生まれ。高校時代、奈良に1年間留学。
大学時代にも来日し、大阪・京都・佐渡島で過ごす。 
大学卒業後、山形県に文部省(当時)英語指導主事助手
として3年間赴任し、山形弁をマスターする。


ポイント第2053回「日米ボランティア比較論」

私は東日本大震災以降四十回ほど東北へボランティアに行き、

そこである傾向に気付きました。

ボランティアに参加している方々で一番多いのは東北の人たちですが、

次に多いのが関西の若者だということです。

「なぜ東北でのボランティアに参加するのか」彼らに聞いてみました。

すると、子ども時代に阪神淡路大震災でボランティアに助けてもらった事を覚えていて、

「今度は恩返しがしたい」と言うのです。

ボランティア精神に一度触れると、その気持ちを一生大事にします。

ボランティア精神というのは国によって異なりますが、

日本とアメリカを比較した時に二つの大きな違いを感じました。

一つ目は「老若」です。

日本では定年退職した後から始める傾向が強いですが、

アメリカのボランティアイズムは物心がついた時から始まります。

私自身はアメリカで小学校一年生の頃から始めました。

ある時、先生に集められて学校の近くの老人ホームへ行きました。

そして老人たちの前で一列に並んで歌を歌いました。

一回歌い終わると老人たちは大きな拍手、二回目もまた拍手。

中には涙を流す人もいました。

私は何で泣いているのかわからなかったので直接聞いてみたら

「日頃会えない自分の孫の事を思い出したからだよ」と言うのです。

その時、こんな簡単な事でも人を喜ばす事ができるのだと子どもながらに感じました。

成長するにつれてボランティア内容もハードになっていきます。

中学になると、教会の神父さんが寄付で集めてきた食料を恵まれない人々に配ったりしました。

中学三年生の時には隣国のメキシコに行き国際的なボランティアも経験しました。

日米ボランティアのもう一つの大きな違いは「お金」です。

ボランティアにおいて「お金」は必要なものです。

アメリカでは教会のミサの途中に神父さんが寄付金を募ります。

このミサでの寄付には領収書は発行されません。

寄付金を税法的に申告するには領収書が必要ですが、

アメリカでは領収書がなくても自己申告で優遇される部分があるのです。

個人の寄付という点ではアメリカの方が優遇されているかもしれませんが、

日本にもアメリカより優れている点があります。

それは福祉です。

手話通訳や介護介助ボランティアなど、アメリカよりも手厚いのではないかと感じています。

ボランティア精神は個人だけでなく社会にも広く浸透しています。

日米の違いは、どちらが良くてどちらが悪いということではありません。

若いうちからボランティアに参加し、人生経験を積んでみましょう。

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