2011年3月19日放送 藤田弓子さん（第1729回）
- 会場
- 沼津市民文化センター
- 講師
- 女優 藤田弓子
講師紹介
１９４５年東京生まれ。
１９６８年にＮＨＫ朝のテレビ小説「あしたこそ」でヒロインを演じる。
現在は、伊豆の国市で、自然に囲まれた環境を楽しみながら、
劇団「いず夢」を主宰している。
第1729回「いつまでも若々しく」
何処へ出向いても、年齢を公表していますが、昭和２０年生まれです。
私が３歳の時、父が亡くなり、それからは母と二人きりの生活でした。
「寂しくなかったですか」と聞かれますが、とても楽しかったです。
なぜかといいますと、母が何でも見て、何でも知りたがる人で、
野球や映画、お芝居に一緒に出掛け、ラジオもよく聞きました。
この道に入るきっかけは、そのラジオでした。
新しく始まる、ラジオドラマの子役を募集しているのを聞き、
応募したのです。
審査は順調に行き、最終面接までいきました。
そこで、絵から抜け出たような美少女に出会いました。
これはダメだと思いましたが、運よく、その美少女と二人合格しました。
その美少女の名前は、吉永小百合さんと言います。
そのドラマ「赤銅鈴之助」に３年間出演して、おもしろさを知り、
女優を一生の仕事にすることを決めました。
劇団文学座に入りましたが、その時もオーデションがありました。
「目に輝きがあり、女優になりたいという気構えが伝わってきた」と
後で聞かされました。
ここぞという時には、絶対後悔しないよう、
自分の思いをぶつければいいと、学びました。
いつの間にか、６０歳を越えましたが、今の若い人を
羨ましいとは思いません。
何もない時代でしたが、世の中が大きく変わる様子を見てきたことは、
おもしろく、幸せだったと思っています。
色々な事に驚き、感動してきたのです。
これからも世の中をジロジロと見ていきたいと思っています。
