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2019年8月18日放送 藤原和博さん(第2143回)

会場
萩丘小学校(浜松市)
講師
教育改革実践家 藤原和博

講師紹介

1955年生まれ。
1978年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。
2003年より5年間、東京都内では義務教育初の
民間人として、和田中学校校長に。
著書「坂の上の坂」は12万部を超えるベストセラー。


ポイント第2143回「「ナナメの関係」で子どもを育てよう」

親子の関係は「タテ」の関係です。先生と生徒の関係も「タテ」の関係です。

「ヨコ」の関係とは、友達との関係です。

しかし「タテ」と「ヨコ」の関係だけでは子どもは育ちません。

特に小学校高学年から中学、高校になると「ナナメの関係」が重要になってきます。

この「ナナメの関係」とは、お兄さん、お姉さん、おじいちゃん、おばあちゃん、

他には先輩後輩との関係のことです。

建物に例えるとタテの関係は「柱」、ヨコの関係は「梁」、

ナナメの関係は「筋交い」と言えば分かりやすいかもしれません。

柱と梁だけでは倒れやすいですが、筋交いがあると強い建物になります。

今、学校教育で起こっている問題についてお話します。

一つは子どもの学力が二極化しているという事です。

以前は「できる子」と「できない子」の数が少なく、

真ん中の「普通の子」が最も多いという放物線の様な分布でした。

ところが今は、フタコブラクダのような分布になっています。

つまり、半分くらいの子は塾に行き、できる子とできない子が完全に分かれるという事です。

昔は普通の子に合わせて授業をしていたのですが、

今は真中の分布に合わせるとコブの凹みがあり、

誰に向けて授業をしているのか分からなくなっています。

もう一つは、教師に起こっている問題です。

教師の年齢を調べると、50歳代が全体の約35パーセントを占めています。

この世代の教師は、いじめの対応や授業方法のノウハウ等もかなり持っています。

ところが、10年後には定年を迎えてどんどんいなくなり、若手の教師が中心になっていきます。

また、50歳代に加え、既に退職した団塊の世代も人数が多かったため、

30~40歳代の教師採用が少なく、年齢構成がいびつになってしまっている現実があります。

ですから今、どんどん新しい教師の採用を行っています。

ところが人手不足の時代で、「教師」という職業はあまり人気がなく、

質が下がりつつあるというのが現状です。

これは教師を目指す学生のせいでなく、競争が生まれないことが原因です。

このような構造的な問題、つまり子どもや教師に起こっている問題から言える事が一つあります。

それは、学校の子どもに対する支配力が、これからどんどん下がっていくという事です。

そこで私が最初に話した「ナナメの関係」が重要になってきます。

学校を核にして地域を含めた「ナナメの関係」で子どもを育てていきましょう。

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