2019年9月 1日放送 藤原和博さん(第2145回)
- 会場
- 萩丘小学校(浜松市)
- 講師
- 教育改革実践家 藤原和博
講師紹介
1955年生まれ。
1978年東京大学経済学部卒業後、リクルート入社。
2003年より5年間、東京都内では義務教育初の
民間人として、和田中学校校長に。
著書「坂の上の坂」は12万部を超えるベストセラー。
番組で紹介した本
「僕たちは14歳までに何を学んだか」 著:藤原和博(SBクリエイティブ)第2145回「14歳までに何を学べばいいのか?」
日本の教育の大問題、それは子どもの自己肯定感が低いということです。
自己肯定感のことを僕は易しく「根拠のない自信」と表現しています。
「自分自身に満足しているか?」「自分の未来は、明るいか?」といった質問に対して、
「イエス」と答える日本の子どもは7.5%しかいません。
ところが、アメリカでは5割、フランスやドイツ・韓国でも3割の子どもが
同様の質問に「イエス」と答えています。
日本の子どもがどれだけ自分に自信が無いのかわかりますよね。
では実際に日常生活の中でどのような事が、
子どもの自信や自己肯定感を傷つけてしまっているのか考えてみましょう。
様々な理由があるのですが、私が注目しているのは
日本の学校教育が「正解主義」に偏っていることです。
そして学校だけでなく、地域社会や家庭も過度に「正解主義」になってしまっています。
「正解主義」の裏を返せば「減点主義」です。
しっかりした親であればあるほど、自分の子どもをこの「減点主義」で厳しく教育します。
それも過度に「早く」「ちゃんと」「いい子」に育てようとします。
例えば子どもが出かける時に、
「靴のかかとは踏まないように。」「シャツはズボンに入れなさい。」
「お友達の家に行ったらちゃんと挨拶しなさい。」などと言うような事です。
子どもに対して過度に【×】を出してしまっていると思います。
それに対してどれくらい褒めるかが重要になってきます。
褒めるのが【○】、怒ったり叱ったりではなくても、注意を受けるのが【×】だとすると、
おそらく学校でも家庭でも【×】を出される回数の方が多いでしょう。
【×】が多ければ当然、子どもは自信を失っていきます。
【○】を言われると自信は増えます。
日本の子どもたちは14歳くらいまでにかなりの【×】を受けているのです。
では、どうすれば子どもたちが、「自信」を持てるようになるか?
皆さんと一緒に考えたいと思います。