2019年10月20日放送 齋藤孝さん(第2152回)
- 会場
- テレビ静岡(静岡市)
- 講師
- 明治大学文学部教授 齋藤孝
講師紹介
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、
同大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。
専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
「声に出して読みたい日本語」ほか、著書多数。
番組で紹介した本
「恥をかかないスピーチ力」 著:齋藤孝(筑摩書房)第2152回「恥をかかないスピーチ力」
スピーチで大切なのは、人前で話す事に慣れる事です。
私が大学で教えている学生達も、慣れてくると100人の前でも平気で話せるようになります。
ではどうしたらスピーチで失敗しないのか、いくつかポイントをお教えします。
人は「スピーチして下さい。」と言われると緊張で体が硬くなります。
緊張している人が話すと、聞いている人も疲れてしまいますよね。
そこで、話す前にまず体をほぐす事が大切です。
例えば軽くジャンプしたり、息をハッ、ハッと吐いたりすると緊張が解けます。
すると声に勢いが出てきます。
一対一の時は静かに話していてもいいのですが、
これが5人、10人になってくるとちょっとテンションを上げた方がいいです。
もっと大勢の前でスピーチする時は、かなりテンションを上げなければなりません。
そのためにはまず、このスピーチ前の体作りが大切だと考えてください。
次に大切なのは、「挨拶は長いと嫌われる。」と意識しながらスピーチする事です。
逆に言えば、手短にすると喜ばれます。
例えば「乾杯の挨拶」の時、グラスを手に持ったまま挨拶が終わるのを待っている気分はどうですか?
「早く終わらないかな...」と思いますよね。
乾杯の挨拶は、30秒が基本だと思って下さい。
10秒だと「どうもありがとうございます!」程度で終わってしまい、いくらなんでも短すぎます。
ですから「30秒」というのを意識しながら練習すると丁度いいです。
最初はテレビコマーシャルの長さと同じ「15秒」を意識して練習してみてください。
テレビコマーシャルは、「15秒」の中にその商品の伝えたい必要事項が全部詰まっています。
自分のスピーチも同じ長さで練習し、出来るようになってきたら、それを2つ合わせます。
すると自然と30秒になり、話題が2つある丁度いい感じのスピーチになるはずです。
今日は、恥をかかないスピーチ力について、皆さんに色々お伝えしたいと思います。