2020年5月17日放送 小島慶子さん(第2179回)
- 会場
- 静岡労政会館(静岡市)
- 講師
- タレント・エッセイスト 小島慶子
講師紹介
1972年オーストラリア生まれ。1995年TBSに
アナウンサーとして入社し、2010年に退社。
現在は家族と共にオーストラリア・パース在住。
タレント・エッセイストとして幅広く活躍している。
番組で紹介した本
「さよなら!ハラスメント」編著:小島慶子(晶文社)
第2179回「さよなら!ハラスメント」
ここ最近、ハラスメントに関するニュースや記事をよく目にするようになりました。
ハラスメントとは、自分にそのつもりがなかったとしても
誰かが言ったことややったことがその相手に対して
不快な思いを与えたり、尊厳を傷つけたりすることです。
ひと言でいえば「いやがらせ」とも言えるかもしれません。
肝心なのは「本人にそのつもりがなくても」というところです。
多様性が増してきたいまの社会では、
自分にそのつもりがなくてもハラスメントをやってしまったり、
受けたりすることがあるとわかったうえで、
それをなくすために何ができるのか考える必要が
以前より一層増してきていると思います。
私にも3つの面がありました。ひとつは、「被害者」の面。
学生時代に電車で痴漢にあったり、働き始めてから体形のことや、
自分の性的な経験について踏み込んでからかわれたりしたことがありました。
この「被害者」の面は、多くの人が感じたことがある部分だと思います。
もうひとつは「傍観者」の面です。
誰かがからかわれて周りの人が笑っているような場面で、私も笑ってしまっていたのです。
当時は、「職場はそういうやり取りがあってもおかしくない場所なんだ。」とか、
「そういうことに目くじらを立てていたら大人気ないんじゃないか。」と思っていました。
それから「加害者」の面です。
自分から冗談みたいにからかってしまって、
しかもそれが愛情表現だとか、親しい間柄だからとか、本気で思っていました。
たぶん多くの人が私と同じように
「そんな意識はなかったけど、いま思えば、ハラスメントだったかもしれない。」
と感じる経験があるのではないでしょうか。
ハラスメントがあたりまえの世の中と、あたりまえではない世の中だったら、
ハラスメントがあたりまえではない世の中の方が暮らしやすいですよね。
多くの人たちに「気付き」の輪が広がり、世の中が変わっていくように、
ハラスメントの3つの要素とその対処法についてお伝えします。