2020年5月24日放送 吉岡たすくさん(第2180回)
- 会場
- テレビ静岡(静岡市)
- 講師
- 児童文化研究家 吉岡たすく
講師紹介
大阪で小学校の教諭・校長などを40年以上務める。
幼児教育と童話を研究するかたわら
執筆活動と全国各地での講演活動を続けた。
番組開始当初からレギュラー講師を22年間務め、
小学校教師の経験を元に独自の子育て論を展開。
1998年に番組を降板し、2000年5月逝去。
番組で紹介した本
「いきいき子育て テレビ寺子屋お母さん講座Ⅱ」 著:吉岡たすく(PHP出版)※販売終了第2180回「お母さんへのエール ~ゆとりをもって~」
今回の「テレビ寺子屋」は、
20年以上に渡ってレギュラー講師を務めた番組の顔、
吉岡たすく先生のお話を振り返ります。
番組放送10周年を記念して、
吉岡先生の講演の中から反響のあったものを集めて出版された本
「いきいき子育て」の冒頭に次のような一節があります。
◇ ◇ ◇
私はこのごろお母さんたちに、三つのことをお願いしています。
まず、お母さんはご自分のお子さんをあきらめないでいてほしいということです。
どんな子どもも、伸びる芽をもって生まれてきています。
お母さんがあきらめないで見ていってくだされば、
子どもは必ず伸びていくと、私は信じています。
次に、お母さんはいきいきと、あかるいお母さんであってほしいと思います。
太陽が暗いと、何もかも元気がなくなるように、
お母さんが暗いと、子どもはめいりこんでしまいます。
やる気を失ってしまいます。
そして、三つめは、お母さんはちょっぴりぬけていてほしいと思うのです。
お母さんが ちょっぴりぬけていると、子どもがホッとするのです。
心にゆとりができてくるのです。
心にゆとりができると、自分でやろうという気持ちがわいてきます。
「自分でやる」ということは、何よりも大事なことです。
子どもをあきらめないで、いきいきとあかるく、
そして、ちょっぴりぬけているお母さんに、私は魅力を感じるのです。
◇ ◇ ◇
出版から30年以上がたった今の子育てにも通ずる、心に響く言葉です。
吉岡先生が番組で紹介したエピソードに、こんなものがあります。
お母さんに怒られた3歳の男の子がいました。
怒ったお母さんは不機嫌になります。
一方、男の子は、怒られた時こそ泣いていましたが
2~3分も経つとケロッと元に戻っています。
そんな男の子がお母さんのそばに来て
「そんな顔していたらお母さんじゃないみたい。
早く新しい顔に変えて。お母さんってかわいい顔でしょ。」とひと言。
これを聞いたお母さんがニコッと笑うと「いい顔だね。」と喜んだのです。
いい顔は美人ということではありません。
子どもはお母さんの顔を通してお母さんの心を見ています。
心にゆとりをもって、子どもに対して明るくおおらかな気持ちになれるように。
吉岡先生から全てのお母さんへのエールになる、とっておきのエピソードをお届けします。