2020年6月14日放送 吉岡たすくさん(第2183回)
- 会場
- テレビ静岡(静岡市)
- 講師
- 児童文化研究家 吉岡たすく
講師紹介
大阪で小学校の教諭・校長などを40年以上務める。
幼児教育と童話を研究するかたわら
執筆活動と全国各地での講演活動を続けた。
番組開始当初からレギュラー講師を22年間務め、
小学校教師の経験を元に独自の子育て論を展開。
1998年に番組を降板し、2000年5月逝去。
第2183回「吉岡たすくの想い ~良いところを認めよう~」
今回の「テレビ寺子屋」は、吉岡たすく先生の懐かしのお話を振り返ります。
吉岡先生は、1977年の番組スタートから
20年以上にわたってレギュラー講師を務めた、テレビ寺子屋の顔。
「あきらめないで」「笑顔で」「のんびりと」をモットーに、
小学校の教師経験を活かしたお話を数多くしてくださいました。
吉岡先生の想いは今の子育てにおいても共感できるところがたくさんあります。
今回は、「良いところを認めよう」というテーマでお届けします。
図画の授業のことを、吉岡先生はこう振り返ります。
「絵は好きだったけれど、勉強はしていないので指導に自信が持てなかった。」と。
子どもが作品を持ってくるとまず「これは何?」と聞きます。
そして子どもの話を聞いてから「おもしろい!」と言って返すのです。
教え子の中に画家になった生徒がいて、
かなり有名になってすばらしい作品を残したそうです。
同窓会で彼に会ったときに声をかけると「先生のおかげです。」という意外なひと言。
吉岡先生は「私は、何も指導していなかったはずです。」と返します。
すると彼は、「指導されなかったのが良かったのです。
先生は、いつも作品を持っていくと『これは何?』と聞いたあと、
『おもしろい』『これは好きだ』『なかなか楽しい』...それくらいしか言いませんでした。
でもその言葉は、いまでも心に残っています。
あの時、『こうしろああしろ』と言われなかったから
いまでも自由な絵が描けているのだと思います。」と打ち明けました。
またあるとき、サトシくんという男の子が先生の所に来ました。
「三日坊主ってなに?」と聞くのです。
吉岡先生が辞書で調べて「飽きっぽくて長続きしない人」と説明すると、
「合っている」と言いました。
他の子どもたちも「自分も!」「自分も!」...と続きます。
ただ、サトシくんのその後のひと言に吉岡先生も思わず「三日坊主は偉い」と唸ります。
そのひと言とは。
教室でいきいきとした子どもたちとふれあう中で、
吉岡先生が「良いところ」を認め、それを伸ばしてきた数々のエピソードをお伝えします。