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過去の放送

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2020年7月12日放送 鎌田實さん(第2187回)

会場
テレビ静岡(静岡市)
講師
医師・作家 鎌田實

講師紹介

1948年東京生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。
諏訪中央病院名誉院長。地域医療に携わる傍ら、
イラクや東日本の被災地支援にも取り組む。
「がんばらない」、「大・大往生」など著書多数。


ポイント第2187回「もう一度届けたいメッセージ ~がんばらない~」

今回は、医師で作家の鎌田實さんのお話を3つのキーワードで振り返ります。

【がんばらない けど あきらめない】

42歳のスキルス胃がんの女性の話です。「余命3ヵ月」の告知。

痛みがありつらく苦しい状態で、ホスピスに入り「緩和ケア」を優先しました。

ところが痛みがとれると希望が生まれたのです。

「娘の卒業式に出たい。」彼女には高校3年と2年、二人の娘がいました。

そして奇跡は起こりました。無事、卒業式に出ることができたのです。

母としての強い思いが奇跡的に1年8ヵ月生かしたのです。

娘さんから後に聞いた話です。

僕たちは、限りある命だからと思い、度々外出許可を出していました。

すると彼女は家で台所に立っていたそうです。

娘のためにお弁当を作ってくれていました。

最後のお弁当は、おにぎりだったそうです。

お母さんの子どもへの想いは確実に伝わっていました。



【にもかかわらず】

紛争の最中、パレスチナの12歳の少年が撃たれました。

彼は脳死状態になり、心臓が敵のイスラエルの子どもに提供されたことを

私はニュースで知りました。少年の父親を訪ねて「なぜ?」と問いかけると、

「海で溺れかけている人を見たら飛び込んで助けるのは当たり前のことです。」

と答えました。息子が殺された、にもかかわらずです。

心臓移植を受けた当時12歳の少女は、学校に通えるようになり、

いまでは大学の医学部を目指しています。

そして「いつかパレスチナ難民キャンプの子どもの命を救いたい。」

と彼女は夢を語ってくれました。



【相手の身になる】

東日本大震災の後、保育園で絵本の読み聞かせをしました。

『ぼくをだいて』という絵本です。「風だいてぼくを、空だいてぼくを...」。

穴のあいた心をゆっくりだきとめてくれるお話です。

そして最後に「母さんだいてぼくを」。

私はこの時、「震災でお母さんを亡くした子がいるかもしれない。」と、

聞いている子どもたちの身になりました。そしてこう続けました。

「おじさんも君たちくらいの時にお母さんがいなかったんだ。

でもみんなが優しく僕を抱いてくれた。

悲しい友だちがいたらギューしてあげようね。」

すると女の子が「私、ギューしてあげる。」といって僕を抱いてくれました。

相手の身になってくれる人がいると救われます。

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