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過去の放送

過去の放送

2020年10月18日放送 中山靖雄さん(第2201回)

会場
テレビ静岡(静岡市)
講師
教育評論家 中山靖雄

講師紹介

1940年熊本県生まれ。(~2015年)学習院大学卒業後、公益財団法人修養団に。伊勢青少年研修センター所長などを歴任。全国各地の講演会で命の大切さを伝えた。


ポイント第2201回「温故知新 語り継ぐ言葉と想い ~生かされるいのち~」

【いのちのつながり】

童謡「シャボン玉」は、みなさんご存じだと思います。

普段一番を歌うことが多いので明るい歌だと思っていましたが実は非常に切ない歌です。

この歌を作詞したのは、野口雨情。

第二子として生まれた娘がわずか10日足らずで亡くなってしまいました。

突然のことで死に目にも会えなかった雨情は娘のことが忘れられず、

当時、作詞したのがこの歌です。

そして一番の明るい歌詞の裏側に二番の切ない歌詞をつけました。


シャボン玉消えた 飛ばずに消えた

生まれてすぐに壊れて消えた


娘が生まれたのは3月、梅の花が咲く頃です。

花は散っても来年の春にまた花は咲く。

人間も肉体は滅びても命は続いているのではないだろうか?

それならば、娘に胸を張れるような人生にしたい。

そう思えたときに「風、風吹くな、シャボン玉飛ばそう」と前向きな歌詞をつけたのです。

「やり直しはできないけれど出直しはできる」そう歌い上げたのがこの歌だと思うのです。



【生かされるいのち】

重度の障がいを持つ子どもたちを招いたキャンプに

ヨウコちゃんという17歳の車いすの女の子が参加していました。

七夕の時期で短冊に願い事を書くことになりましたがヨウコちゃんは「別にない」と。

するとお母さんは「そんなかわい気のないひねくれた子は大嫌い」と叱りました。

その日の夕方、ヨウコちゃんが「先生、どんなことでも書いてくれる?」と尋ねてきました。

予想もしない願い事でした。

「お母さんより一日早く死なせて下さい」

彼女にとってお母さんが亡くなってしまったら誰が面倒を見てくれるのだろう?

それが心配で仕方がなかったのです。

そして、それを読んだお母さんは

「娘より一日長生きさせて下さい」と書き、二つの短冊を並べました。

ヨウコちゃんは、

「私の体が不自由なのは、神様が私ならきっと苦しみに耐えられると思ったのよね」

「私は神様に選ばれたのよ」

と言って不自由な手を一生懸命に振って帰っていきました。

力があるから重荷が背負えるのではなく、重荷を背負うから力が出るのかもしれない。

しみじみとそう思わせていただきました。

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