2020年11月 1日放送 鈴木一光さん(第2203回)
- 会場
- テレビ静岡(静岡市)
- 講師
- 児童育成協会理事長 鈴木一光
講師紹介
1947年生まれ。明治大学法学部卒業後、
児童指導員として、日本教育開発センターに。
専門は児童福祉、児童館事業。2020年4月より
公益財団法人 児童育成協会の理事長を務める。
第2203回「温故知新 語り継ぐ言葉と想い ~わかちあう心~」
【家庭は小さな社会】
「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあります。
人が集まればいい知恵が出てくるという意味です。
児童福祉の世界でも実証されていて人間関係をN(N-1)という数式で表します。
例えば、子ども2人の3世代家族なら6(6-1)=30。
家庭の中に30通りの人間関係があるということになります。
勉強というのは学校で学ぶことだけではありません。
家庭の中でお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんから学ぶこともすべて勉強です。
そして人間関係と同時に会話する能力も大切です。
家庭での会話でお互いを理解し合う、それがコミュニケーション能力につながります。
子どもは、家庭の中で人間関係やコミュニケーションを体験しています。
また、子どもを持って親になって初めて子どもから学び
親にさせてもらうという人間関係もあります。
子どもも親も常に成長していきます。やはり家庭は小さな社会です。
この小さな社会の中での人間関係やコミュニケーションの取り方も様々です。
ぞれぞれのバランスが「良い加減」で子どもと付き合えるのが「良い親」だと私は思います。
【遊ぶことは学ぶこと】
人の能力は大きく分けると記憶力、判断力、独創力の3つになります。
記憶力は過去の経験の積み重ね、また判断力は良い過去、良い記憶があるといい判断ができます。
現在に必要とされる能力です。
そして独創力は実際にはない物を創造するクリエイティブな能力、
こんなものがあったらいいなと想像するイマジネイティブな能力、つまり未来です。
自分らしい生き方の源になります。
この独創力やコミュニケーション能力を育むのが遊びです。
おとぎ話や昔話を子どもにたくさん読み聞かせると目に見えないものを信じる力が養われます。
愛情や友情、約束や信頼は目に見えないものです。これらは世の中ではとても大事なものです。
また、友だち同士で切磋琢磨して、外へ出て寒い時には鳥肌を立てて、暑い時には汗をかく。
そうすることによって副交感神経も刺激され精神的にも鍛えられます。
同時に友だちと感情を共有することで喜びは増え、悲しみは薄められます。
小学校3年生くらいまではサンタクロースを信じられるような、そんな夢のある家庭をつくってください。