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過去の放送

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2020年12月13日放送 ジェフ・バーグランドさん(第2209回)

会場
テレビ静岡(静岡市)
講師
京都外国語大学教授 ジェフ・バーグランド

講師紹介

1949年米国生まれ。高校教師歴22年と、
大学の指導では20年以上のキャリアを誇る。
50年以上京都に住み、京都国際観光大使も務める。
専門は観光と異文化コミュニケーション。


ポイント第2209回「正解はひとつだけではない」

「パーセプション(Perception)」という言葉、

認識や理解と訳されますが英語のニュアンスでは

「情報を収集してその情報を処理する」ことです。


私は日本に来て自分の物の見方が大きく変わりました。

日本に到着した日の出来事です。

日本の大学生と出会って彼が自分の下宿に呼んでくれました。

彼について部屋に上がると突然彼が「シューズ!」と大声をあげました。

私は日本の生活様式を知らなかったので靴のまま部屋に上がっていたのです。

その日から靴を脱いでスリッパに履き替えるという生活が始まりました。

板張りの床、縁側の温もり、庭に出たときに小石を踏む感触、

足裏から来る情報を楽しむのが日本での生活の始まりでした。


食生活も大きく変わりました。

海からおよそ2000km離れたサウスダコタ州で私は生まれ育ちました。

もちろん魚は食べません。人より牛が多いところですから肉料理が中心です。

日本に来て初めての食事は旅館の朝食でした。

お膳が並ぶ床に座る、そして箸を使う。

白いご飯、じゃこ、漬け物、どれも初めて見ました。

お膳の中に卵があって、これは知っている「ゆで卵」だと安心しました。

ところが隣に座った学生が卵を割るとそれは生卵でした。

アメリカでは生卵を食べる習慣がないので驚きました。

そして梅干し、最初に口に入れたときは本当にびっくりしました。

なぜなら日本語を勉強している中で

その食べ物は「チェリー」と教わっていたのでデザートだと思っていたからです。

最初は日本食が苦手でした。でも変わるのです。

いまでは卵かけご飯は大好物ですし、梅干しは毎日食べます。

みなさんも子どもの頃と食べ物の好き嫌いが変わっていると思います。

こうした変化は内面的な要因とともに外面的な要因、

例えば文化の違いや引っ越しをすることなどがきっかけになります。


日本人はどうしても周りの人と比べたがります。

自分が普通なのか、あるいは違うのか?

比較する中で正解があるような錯覚に陥ります。

でも人生の正解はひとつだけではありません。

自分の「パーセプション」、様々な情報を集めて自分の幅を広げていく、

違う自分を認め、違う相手も認めていく。

みなさんも怖がらずにどんどん変わっていきましょう、

そして自分の正解を変えていきましょう。

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