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過去の放送

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2021年3月21日放送 加藤英明さん(第2222回)

会場
麻機遊水地(静岡市)
講師
静岡大学 教育学部 准教授 加藤英明

講師紹介

1979年静岡県生まれ。農学博士。
世界中のジャングルや砂漠を駆けめぐる生物ハンター。
カメやトカゲの保全生態学的研究をしながら、
学校や地域社会で環境教育活動を行っている。


ポイント第2222回「身近な水辺をのぞいてみたら」

今回のテレビ寺子屋はスタジオを飛び出して

静岡市にある麻機遊水地からお届けします。


この水辺では普段から生き物や環境を調査したり、

研究に必要なものを捕まえたりしています。

ここにはハゼの仲間やウナギもいますし、

危険なカミツキガメが潜んでいたりもします。

今回はタモ網を持って水辺を回ってみましょう。


早速、水草の根元をガサガサ押すようにタモを動かしていきます。

すると最初に捕れたのは小さなエビ「ヌマエビ」、在来生物です。

昔からこの地域にいる生き物です。

続いて目にしたのは群れになって泳ぐ魚「オイカワ」です。

泳ぐスピードが速いので、このタモでは取れません。

この魚は泳ぎに自信があるので隠れないのも特徴です。


水辺にはトンボもいます。これは「アキアカネ」。

トンボの仲間は蚊などの害虫を食べてくれるので水辺には欠かせない生き物です。

トンボの幼虫ヤゴは水の中で育ちます。

この水辺でも実はトンボの数が減っています。

それはウシガエルなど外来生物の捕食者が増えているからです。


小さな魚を狙ってふたつのタモで挟み撃ちにして追い込みます。

すると小さな魚が...。捕れたのは「カダヤシ」。

メダカによく似ていますが北アメリカ原産の外来生物です。

メダカとの違いは尾ひれ。丸いのがカダヤシ、三角形なのがメダカです。

特定外来生物のカダヤシは持ち帰ることができないので注意が必要です。

カダヤシの名前は文字通り「蚊を絶やす」という意味です。

かつてボウフラを食べてもらうために池に放されました。

しかしそれが生態系が崩れる一因になってしまいました。

メダカの卵も食べてしまうためメダカは少なくなり、カダヤシが増えました。

この水辺でもいまでは9割がカダヤシです。


水辺でタモを入れて魚を捕るのは楽しいですが、

残念なことに外来生物が多いのが現状です。

外来生物というとカミツキガメやウシガエルなど

近づきがたいイメージがあるかもしれません。

それでも積極的に水辺に親しんでタモを入れてもらえればいいと思います。

小さな魚を捕まえてみて、それが在来生物のメダカなのか?

外来生物のカダヤシなのか?調べてみることで

身近な環境を考えるきっかけにして欲しいと思います。

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