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過去の放送

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2021年8月29日放送 親野智可等さん(第2245回)

会場
市民ホールおかべ(藤枝市)
講師
教育評論家 親野智可等

講師紹介

1958年静岡県生まれ。公立小学校で23年間教師を務める。
教育現場で親が子どもに与える影響の大きさを痛感。
教師としての経験と知識を子育てに役立ててもらいたいと
メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発刊し、評判となる。


ポイント第2245回「子どもが伸びるとき」

子どもが一番伸びるのは熱中しているときです。

自分のやりたいこと、楽しいと思うことに没頭しているときです。


私が小学5年生を担任した時のある女の子の事例です。

彼女は絵を描くのが大好きな子でした。

ところがお母さんは

「高学年になったんだから絵はもう卒業して勉強をしなさい。」

と快く思っていませんでした。

ある日、個別面談で担任の私はお母さんと話す機会があり

「この子は絵が好きでしかも上手だから是非応援してあげてください。」

とお願いしました。するとお母さんは

「そんなに絵が好きなら応援しよう。」と納得してくれました。


それから近くの図書館に行って一緒に絵本や画集を見たり、

美術館に行って本物の絵画を見たりして応援してくれました。

そしてある時、お母さんは彼女に色数の多い色鉛筆を買ってあげました。

これが実に良かったようで、彼女は絵を描くのがますます好きになり、ぐんぐん上達しました。

やがてクラスメイトたちが「絵がうまいね。」とほめてくれるようになりました。

ある日、1人のクラスメイトに頼まれて猫の絵を描いてあげたところ、

それが評判になり休み時間になると絵を描いてもらいたい子たちが彼女の周りに集まるようになりました。


彼女はもともと消極的で友達も少なく、授業で発表することもありませんでした。

片づけも苦手で、朝も遅刻ぎりぎりで登校してくるような子でした。

ところがしばらくすると授業中に発表するようになりました。

絵のことで自信がついて「自己肯定感」が高まり他のことも頑張れるようになりました。

いろいろな面で好循環が始まったのです。


6年生になると彼女は絵をあまり描かなくなりました。

そのことを聞いてみると「絵は飽きちゃった。今は手芸が一番好き。」とのこと。

子どもは、好奇心が旺盛でいろいろなことに興味を持ってやってみたくなります。

彼女はこの時、手芸に熱中していて、

休み時間には5~6人の女の子で1カ所に集まって小物づくりに没頭していました。

お母さんは最初は抵抗があったようですが、今度は手芸を応援してくれました。


そんなある日、彼女は小学生新聞を読んでいて、

手芸の小物をPTAのバザーで売るというアイデアを思いつきました。

友達を誘って役員さんに頼みに行き、許可を得ました。

バザーの売り上げは福祉団体に寄付しました。

すべて彼女が中心になって行動力とリーダーシップを発揮しました。

6年生の終わりには児童会の役員にも立候補して大活躍しました。

そのきっかけは大好きな絵をお母さんが応援してくれて自分に自信が持てるようになったことなのです。

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