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過去の放送

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2021年9月19日放送 山田ルイ53世さん(第2248回)

会場
浅羽東コミュニティセンター(袋井市)
講師
タレント 山田ルイ53世

講師紹介

兵庫県出身。お笑いコンビ 髭男爵のツッコミ担当。
地元の名門中学に進学するも中途退学。
6年間の引きこもりを経験。大検合格を経て愛媛大学に入学。
その後中退し上京、芸人の道へ。

番組で紹介した本

「パパが貴族 -僕ともーちゃんのヒミツの日々」 著:山田ルイ53世(双葉社)

ポイント第2248回「パパが貴族」

今回のテーマは小学校3年生になる長女と僕、髭男爵・山田の

「子育ての日々」というより「ある秘密をめぐる攻防の日々」です。その秘密とは...。


ワイングラスを片手に「ルネッサーンス!」。

お笑い芸人の髭男爵であることを僕は長女にずっと隠してきました。

その理由は?恥ずかしい話ですが「一発屋」という言葉です。

「一発屋」=世間的には「負け」とか、「失敗」のような苦味成分が多い言葉です。

小さな子どもにこの苦味はまだ早いという親心から隠しています。

さんまの内臓の黒いところのように、大人にしかわからない苦味だと思います。


しかし、ひとつ屋根の下に暮らす我が子が相手ですから秘密を完全に守ることは難しいです。

少しずつ漏洩していきます。

これまでも年に1回か2回、「パパって髭男爵っていうの?」

と聞かれることはありました。

でも素知らぬ顔で「違うよ、そんな人じゃないよ。」

と僕が否定するという徳俵で今まで踏ん張ってきました。

さすがに小学校に入った頃から娘の推理力も上がってきて、

逆に感心するような出来事もあります。

僕は自分の部屋の隅、目立たないところにシルクハットを隠しています。

娘は時々、忍び込んでシルクハットの数を数えていたようです。

そしてある日、「パパ、髭男爵っていうんでしょ...。」

僕はいつもの通り「違うよ。でも似てるところはあるね。」素知らぬ顔で否定しました。

でも「絶対にそうだ。」と一歩も譲りません。

「なぜそう思うの?」と尋ねると...

「パパがお仕事に出かけるとシルクハットがひとつ減るから!」。

在庫と帳簿を照らし合わせて...マルサのような手法です。

この時は誇らしい、うれしい反面、ちょっと背筋が凍った瞬間でした。


本性を隠しているといろいろ弊害もあります。

でも一方で子どもに注意を払って観察しているので、

本を一冊書けるくらいのエピソードは見つかります。

思わずほっこりするシーンに出会うことも。


長女が幼稚園に入ったばかりの頃、家族3人でお風呂に入っていた時です。

僕は洗い場で体を洗っていました。

算数の勉強にと思って...

「いまお風呂(湯ぶね)に入っているのは何人?」と長女に尋ねました。

娘の答えは「2人。」正解です。

そして最後に「風呂場にいる人は全部で何人?」。

3人と答えると思いきや、娘は無邪気な顔で「家族。」と答えました。

こういう場面に出会うことができたのも「一発屋」といわれる、

ゆったりとしたスケジュールだったからかもしれない、そんなふうに思ったりもします。


こんなやり取りを日々娘と交わしている僕には大そうな教育方針はありません。

でもひとつだけこだわりがあって、それは

「子どもがやることに全部リアクションをとる」ということです。

やはりお笑い芸人ですからリアクションを取ることの大切さ、

あるいはリアクションがない時のさみしさはよく知っています。

ですから社会に出て、大人になったら絵空事になってしまうかもしれませんが、

少なくとも親元にいる間、僕の目が届く範囲にいる間は

必ずリアクションがある状態にしておきたい、この一点だけを守って子育てをしています。

「世界は君が言ったこと、やったことに必ず反応してくる」

ということを肌感覚でしみ込ませておいてあげたいと思っています。

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