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過去の放送

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2021年11月21日放送 多田千尋さん(第2257回)

会場
ターントクルこども館(焼津市)
講師
東京おもちゃ美術館館長 多田千尋

講師紹介

東京都生まれ。2008年東京おもちゃ美術館を創設。
館長を務めるかたわら、有名大学の講師も兼任。
木のおもちゃを子育てに取り入れる「木育」を推進。
全国の姉妹おもちゃ美術館の総合監修を務める。


ポイント第2257回「おもちゃで再発見 地域の力」

今回のテレビ寺子屋は焼津市にある「ターントクルこども館」から。

木のおもちゃで遊びながら学ぶ体験型のミュージアム

「焼津おもちゃ美術館」をご紹介します。

遊びやおもちゃを通して地域の魅力やそこに住む人たちの絆を改めて考えます。


子どもたちにとっておもちゃは大切なものです。

人が生まれて初めて出会うアートは「おもちゃ」かもしれません。

だからこそ、博物館ではなく「おもちゃ美術館」と名付けました。

見て、触れて、体験して楽しむ。そして最大の特徴は木のぬくもりです。

木の香りをふんだんに楽しんでもらいながら

親子でふれあうことができる施設を目指しています。


東京で誕生した「おもちゃ美術館」。

いまでは全国各地に姉妹館ができ、2022年度までに全国12館が完成する構想です。

各地の特色や文化、歴史を施設の中にどう表現していくか?

これが演出を手掛けるうえで一番の見せどころです。

唯一無二の施設をひとつずつ造ることは難しく見えますが

実はとてもシンプルでやりがいがあることです。


ここ焼津市のおもちゃ美術館は

1階に絵本を集めた「こども図書館」を併設しています。

絵本とおもちゃの一体構想もこの施設の持ち味のひとつです。

また焼津市には全国屈指の漁港があります。

大海原から始まり、魚を釣り上げて港で仕分ける、

最後はお寿司屋さんにたどり着く一連のストーリー、

これは焼津でなければ具現化できない演出です。


またシニア世代が子どもや孫世代に語りたくなるような仕掛けもたくさんあります。

例えば、江戸時代の和船「八丁櫓」。

高速で小回りが利くことから焼津のカツオ漁の発展に寄与しました。

その勇姿が再現されています。


お年寄りたちは昔から「話したがり屋」です。

子どもたちは「なぜ?どうして?」と、いつも「聴きたがり屋」です。

双方の接着材となるのがおもちゃ美術館です。

親子、そして祖父母と孫、三世代の交流の場としておもちゃで一緒に遊ぶ。

そして展示を見ておじいちゃん、おばあちゃんが語り、

子どもや孫がそれを受け止める。

そういう世代を超えた、また世代をつなぐ

多世代交流の拠点としての役割も担っています。


そしておもちゃ美術館の特徴は

「おもちゃ学芸員」という地元ボランティアの存在です。

学芸員はいろいろなことをアシストしてくれます。「いい意味でおせっかい」です。


訪れた人と学芸員、地域の人たちの交流、

おもちゃが人と人をつなぐ架け橋となっています。

そして地域の絆を深めています。

おもちゃ美術館には、赤ちゃんからお年寄りまで

あらゆる世代の人たちが誰でもいくつになっても楽しめる

ふところの深さがあると思います。


そしてこの施設には学芸員をはじめ、

地域の人たちが積極的にかかわってくれています。

この施設を「わが子のように育てていく」という

当事者意識を持った人たちが大勢いてくれるのはありがたいことです。


地域の人たちが自分の居場所を見つけるとともに

地域の魅力を再発見するきっかけになれば、と思います。

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