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過去の放送

過去の放送

2022年3月20日放送 中野信子さん(第2272回)

会場
テレビ静岡(静岡市)
講師
脳科学者 中野信子

講師紹介

1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士。
脳や心理学をテーマに研究、執筆活動を行う。
科学の視点から、人間社会で起こりうる現象や
人物をわかりやすく読み解く語り口に定評がある。

番組で紹介した本

『中野信子のこども脳科学 「イヤな気持ち」をエネルギーに変える!』
著:中野信子(フレーベル館)

ポイント第2272回「脳から学ぶ 生きるコツ」

普段、生活をしていると悩んだり、イヤな気持ちになったりすることがあります。その時どうしても自分の中にネガティブな反応が起こります。そして自分さえ我慢すれば丸く収まるのでは...とか、こんな気持ちになってしまう自分が悪いのでは...と思ってしまうことがあるかもしれません。

イヤな気持ちは脳の中でどのように生まれてくるのでしょうか?不安や焦り、ねたみの源になるのは「セロトニン」という物質です。脳の中でセロトニンがたくさん出ていると気持ちが安定して落ち着きます。しかしセロトニンが足りない状況になると不安になったり、イライラして攻撃的になったりします。

イヤな気持ちに対する反応は2種類にわかれます。どちらもイヤな気持ちにさせた相手に対する反応です。相手が失敗すればいい、引きずり降ろしたいという消極的な気持ち、これを「悪性ねたみ」と言います。そうではなくて、相手を越えて自分の方ができるようになろうという積極的な気持ち、これは「良性ねたみ」です。どちらが自分にとって得なのかはすぐにわかると思います。不安や焦り、イヤな気持ちを持った時は、がんばるためのエネルギーをもらったと思って自分のために活かしていくことが大事です。

「ねたみ」や「悔しい」気持ちを持ちやすい脳かどうかは、実は遺伝的に決まっています。私たち日本人の多くがその素質を持っているといわれます。これは自分の努力では変えられません。ですから悔しい気持ちを持ちやすい性質だとあらかじめ知っておくこと。そして理不尽に感じることがあった時は、どのようにその気持ちを逃せばいいのか?またその気持ちをテコにして自分が得をするためにはどうすればいいのか?工夫や想定をしておくことも大切です。

私もかつては生きづらいと感じている子どもでした。周りの空気が読めなかったり、人の言うことを聞けなかったりして困っていました。しかし脳科学の勉強を進めるうちに「イヤな気持ち」は実は生きていくために大切なものだということがわかりました。イヤな気持ちになった時は、ひと呼吸おいて考えてみてください。例えば、ものごとにはまりやすい(熱中しやすい)性質は集中してものごとに取り組むために大事な性質のひとつかもしれません。また飽きっぽいという一面があったら、それは周りから迫ってくる危険をいち早く察知して対応するための迅速なシステムを持っているということかもしれません。

私たちは生きている限りどうしてもイヤな気持ちが生じてしまいます。ある意味避けては通れません。ですから、イヤな気持ちになったときにそれをどのように活かして前向きに生きていくのか?イヤな気持ちになってしまった自分を責めるのではなく、これも大切な自分のエネルギーのひとつとして有効活用していくことが大事です。

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