2011年7月16日放送 田部井淳子さん(第1746回)
- 会場
- 牧之原市立榛原中学校
- 講師
- 登山家 田部井淳子
講師紹介
1939年福島県生まれ。
1975年世界最高峰エベレスト8848mに女性で世界初の登頂に成功。
1992年女性で世界初の7大陸最高峰登頂者となる。
現在も年数回、海外登山にでかけている。
第1746回「日本人なら富士山に登ろう」
私の出身は、福島県の三春町です。
梅、桃、桜の花が一度に咲くので、三春です。
この三春町の小学校時代の担任が山好きで、登山に誘われました。
10歳でしたが、山登りというより列車に乗って出掛ける事が、
三春しか知らない私にとって大きな魅力でした。
初めて登った山は栃木県那須山系の火山で、
故郷で見慣れた山と違った魅力がありました。
そして、学校で習ったこととは違い、
自分の足で歩き、目や肌で感じた知らない世界に好奇心を持ちました。
私自身、身体が弱く運動が嫌いでしたが、
先生は急がなくていい、ゆっくりで構わないと言ってくれ、
運動の得意な同級生と山頂に立った時は、最高の喜びでした。
山登りは競争ではなく、どんなに辛くても選手交代はないという事も学びました。
海外の登山家に出会うと、富士山が話題になります。
大きな存在で日本の宝です。
私が富士山に初めて登ったのは20歳の時でした。
それから、冬の雪上訓練を含めて、毎年のように登っています。
初めての登山が富士山という方が結構いますが、
どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。
富士山登山口に着いたら、すぐに登らず、
1~2時間ゆったりとして、まず、身体を高さに慣らすのがコツです。
登り始めたら、30分歩いて、5分休むということを繰り返すと疲れにくいです。
そして、夜、登る方が多いですが、私は昼間を薦めます。
何といっても危険が少なく、富士山ならではの雄大な景色が楽しめます。
どこからでも見える富士山に登った経験は、
心に残りますし、ご自身の大きな誇りになります。