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過去の放送

過去の放送

2022年4月17日放送 中野信子さん(第2276回)

会場
テレビ静岡(静岡市)
講師
脳科学者 中野信子

講師紹介

1975年、東京都生まれ。脳科学者、医学博士。
脳や心理学をテーマに研究、執筆活動を行う。
科学の視点から、人間社会で起こりうる現象や
人物をわかりやすく読み解く語り口に定評がある。

番組で紹介した本

『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』著:中野信子(アスコム)

ポイント第2276回「したたかに生きる脳科学」

『世界の頭がいい人』というとどんな人を想像するでしょうか?IQ(知能指数)が高い人を想像する人も多いかもしれません。しかしIQが高くてもそれだけで得をすることはありません。世界で活躍する『頭のいい人』は様々な個性を持っています。頑張らなくていいことはあえて切り捨てる、人の言うことに左右されずに自分の意思を貫く...、自分にとっていま何が大事なのかを常に判断して実行しています。

日本の教育では「先生の話をよく聞きましょう。」「周りの空気を読みましょう。」と言われます。しかし周りの空気を読みすぎると個性をつぶしてしまうおそれがあります。大事なことは「話は聞くけれども、話は聞かない。」ある意味逆説的ですが「こういう意見があることは知っておいて、採用するかどうかは自分で決める。」というスタンスです。

また頭がいい人は、意見が違った場合、反論して相手を言い負かすのではなく、あえて勝ちを譲る。その場では一旦相手に従ってその後、自分の思うようにする。そんなしたたかな一面も持ち合わせています。こうした振る舞いは自分に自信がないとできません。

自分の意見を大事にするということは「自己肯定感」に密接にかかわってきます。そしてこれは学校で教えてもらえるものではありません。逆に頭のよさに自信が持てない人は、自分が思うような結果を出せていない、自分はもっとできるはず...、と感じる場面が多いのだと思います。またそういう場面で自分をうまく分析できないのかもしれません。

調子のいい時の自分は鏡に写して見ることができます。しかしうまくいかなかったときの自分の姿を見るのはつらいものです。「うまくいかなかった自分も素敵じゃないの?」と自分を受け入れられる力。実はこれこそが自己肯定感です。テストで点数が悪かったときに褒められたことはないと思います。良いときに褒められるのは当然ですが悪いときにどう評価されるかが実は重要です。

「これまでできなかった問題ができるようになった。」テストの点数ではなく内容で評価された生徒は次からより難しい問題にチャレンジするようになります。そして点数が低かったとしてもあまり恥じることはありません。自分の努力を自分で褒められるような視線を自分の中に持って欲しいと思います。

頭の良さはIQや成績だけが全てではありません。生きる力があるということです。本当に自分に適した道、そして自分がやりたいことや好きなことを大事にしてより良く幸せに生きること。それができる人が「頭がいい人」です。自分の良さをみつけてしたたかに人生を楽しんでいただきたいと思います。

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