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過去の放送

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2022年9月11日放送 大棟耕介さん(第2297回)

会場
焼津文化会館(焼津市)
講師
ホスピタルクラウン 大棟耕介

講師紹介

1969年生まれ、愛知県出身。筑波大学卒業。
2020年に「クラウン・オブ・ザ・イヤー」を受賞。
病院を回る「ホスピタルクラウン」の活動をはじめ、
被災地や戦地へも笑顔を届けている。


ポイント第2297回「いまを大切に」

クラウンは「名わき役」です。自分のことよりお客さんを優先して「一番必要なものは何か?」と、いつもアンテナを張っています。そしてたくさんある引き出しの中から最善のパフォーマンスを披露します。

クラウンは普段、サーカスや遊園地など楽しいところで活躍します。でも実は被災地や戦地、病院にも足を運びます。本来であれば「悲しみの中、つらい思いをしている人たちにパフォーマンスとはお門違い」と思う人もいるかもしれませんが『ケアリングクラウン』という文化です。

闘病中の子どもたちはあすがない場合もあります。病院や被災地では「普段当たり前のことが、当たり前ではない」ということに気づきます。クラウンである自分も当然それがわかっているつもりでした。しかし新型コロナウイルスのまん延で世界中の人たちが同じように気づきました。自由に外出することができない、大切な人に会うこともできない、「当たり前のことが当たり前ではない」ということに。

クラウンは密をつくってパフォーマンスします。コロナ禍で当然仕事はなくなり、悩む時期もありました。しかし「悩みや凹みは全力疾走について来られない」という言葉があります。この時間を使って普段できないことをやってみようと思いました。トランプのジョーカー、彼はジョークを言う楽しいクラウンです。ジョーカーはキングにもエースにも勝つことができます。それまでのルールを急に逆さまにすることもできます。つまりピンチをチャンスにできるのです。トライ&エラーを繰り返しながら無駄にあがいてみました。

まず挑戦したのは「NO密パフォーマンス」です。駐車場を借りてマンションに向けてパフォーマンスをしました。2階から14階まですべてのフロアで、自宅のベランダから家族そろって見てくれました。「中国ゴマ」の演技ではコマが高く上がる度に歓声があがり、マンション全体がひとつになって楽しい空気に包まれました。

オンライン・コミュニケーションツールを使ってのパフォーマンスにも挑戦しました。今まで長期療養中の子どもたちは体調が良ければ一時帰宅ができました。それがコロナ禍で一切できなくなりました。付き添いの家族も病院から出られません。残された兄弟や家族は病院に入ることすらできません。家族が分断されてしまいました。しかしオンラインのパフォーマンスは病院と家に同時に配信できます。同じパフォーマンスを一緒に見ることができます。何よりうれしかったのはパフォーマンスの合間に家族の会話が弾むことです。離れ離れの家族が一体となる時間を作ることができました。そしてその家族の笑顔を一枚の似顔絵にしてプレゼントしました。

人は悩みや不安があるからやさしく、そして強くなれるのだと思います。だから安心してください、ひとりではありません。みんなで一歩前に踏み出して、いまできることに集中する。いまを大切にする生き方を続けてみませんか?

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