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過去の放送

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2023年1月15日放送 沼田晶弘さん(第2314回)

会場
相良総合センターい~ら(牧之原市)
講師
東京学芸大学附属世田谷小学校教諭 沼田晶弘

講師紹介

東京学芸大学教育学部卒業後、アメリカの大学院で学ぶ。スポーツ経営学の修士を修了。児童の自主性、それを引き出す斬新でユニークな授業が数多くのメディアで話題となる。著書多数。

番組で紹介した本

「one and only 自分史上最高になる」 著:沼田晶弘(東洋館出版社)

ポイント第2314回「子どものヤル気を引き出す仕掛け」

ヤル気を引き出すためのキーワードは「自分事化」です。自分の事として学ぶと今度は人に伝えたくなります。みなさんも経験がありませんか?学びを「自分事」することがヤル気を引き出す第一歩です。

人間の欲求をピラミッド型で表した「マズローの欲求5段階説」には、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求の5つの階層があります。よく注目されるのは「社会的欲求=仲間ができる」、そして「承認欲求=認められる」の部分です。しかし、お母さんたちにまずお願いしたいのは「生理的欲求」です。例えば、小学一年生をイメージしてみてください。4時間目は空腹、逆に5時間目は満腹で授業どころではありません。さらに、子どもが朝、叱られて泣きながら学校に来たりすると1、2時間目もダメです。すると1日5時間のうち3時間目しか勉強になりません。朝は叱らずに、笑顔で子どもを送り出してください。

次に環境です。「笑っていい」、「話していい」、「意見を言ってもいい」こういう状況が安心感につながります。例えば講演会で大きな声で笑ってくれるおじさんが一人いると助かります。それだけで「笑っていいんだ」という思いが会場に広がります。教室も家庭も同じです。「何を言ってもいいんだ」という安心感が大切です。

そして「TAKE2」。映画やドラマでNGが出ると「カット!」の声がかかって撮り直します。私のクラスでは、誰かが答えを間違えた時、その間違いを指摘するのではなく「はい、カット!」の声がかかって前の場面からやり直します。間違えても楽しいし、間違えていないことにもなります。

「子どもは褒めて伸ばしましょう」というものの、みなさん褒めることに疲れていませんか?そんなに褒めなくてもいいと私は思います。褒めることよりも、必要なのは「褒められ方」のトレーニングです。例えばみなさんの周りにいつもお菓子をもらえる人がいませんか?そういう人には共通点があります。もらった時にとてもうれしそうにしています。褒めた時にニコニコしてくれる人を人はまた褒めたくなります。みなさんも鏡の前で笑顔の練習をしてみてください。そして子どもにもうれしい時の顔をアドバイスしてあげてください。

そして大事にしたいのは、「やればできる」という気持ち=『自己効力感』です。自己効力感は、転んでもまた立ち上がる力になります。そのためには特技を発見することです。私のクラスにもある特技を持った子がいました。彼の特技は電車の車内アナウンスの完全コピーです。それを見つけた時、私は学校中に紹介して、親から許可をもらってSNSにも上げました。彼はもともといじめられっ子でしたが、この特技をきっかけに「スーパースター」になったのです。

学校に通う理由は何でしょう?勉強はもちろんですが、私は「個性を知ること」だと思います。学校に行って初めて気づく他者との違い、それが個性です。「One & Only」日本語に訳すと「唯一無二」。ひとりひとりの個性や特技を見つけ、信頼感を持って子どもたちを見守って欲しいと思います。

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