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過去の放送

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2023年6月 4日放送 ジェフ・バーグランドさん(第2334回)

会場
テレビ静岡(静岡市)
講師
京都外国語大学教授 ジェフ・バーグランド

講師紹介

1949年米国生まれ。高校教師歴22年と、
大学の指導では20年以上のキャリアを誇る。
50年以上京都に住み、京都国際観光大使も務める。
専門は観光と異文化コミュニケーション。


ポイント第2334回「絆を深めるコミュニケーション」

私は子どものころから、人と人が通じ合うのが不思議だなと、「コミュニケーション」に興味がありました。

13世紀に、やはりコミュニケーションに興味を持つフリードリヒ2世という皇帝がいました。人間は、生まれ育った環境で言語を習得する。つまり生まれた国の言葉が話せるようになるのですが、「赤ちゃんが小さい時から言葉を聞かなかったらどんな言語を使うようになるのか」と疑問を抱き、ある実験を考えました。生まれたばかりの赤ちゃんに、おっぱいを与え、おむつを取り替える以外の触れ合いや言葉かけをしないと、10か月ぐらいしてどの言語が出てくるのかというのです。

しかし、実験は失敗に終わりました。ほとんどの赤ちゃんが、幼いころに命を落としてしまったのです。人間は、触れ合いや言葉かけがいかに大事かがわかる実験になりました。

特に、私たちが体で物を感じるのが非常に大切なのです。私たちと環境を繋いでいるのは、皮膚です。「言葉かけ」と「スキンシップ」は、命を育むということが分かりました。


「非言語(言葉ではない)コミュニケーション」において、「タッチ」は大きなテーマです。「タッチ」を理解するとき、まずは3つの側面を考えます。

◆側面①「セルフ」と「アザー」
  自分が自分を、自分が相手をなど、誰が誰に触れるのか。

◆側面②「Intentionality(インテンショナリティ)=意図的、志向性」
  触る意識があるのかないのか。

◆側面③「直接」と「間接」
  直接触るのか、間接的か。


次に、「タッチ」の種類です。

◇種類①「プロフェッショナルタッチ」
  専門的(職業的)なタッチ。美容室や接骨院など。

◇種類②「ソーシャルタッチ」
  社会が認めているタッチ。握手やハグなど。

◇種類③「フレンドリータッチ」
  友達関係のタッチ。よくやったね、と背中を叩くなど。

◇種類④「インティメイトタッチ」
  恋人や家族同士のタッチ。手をつなぐ、キスなど。


タッチをすると、「絆ホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」が出てきます。英語では、「ラブホルモン」とも呼んでいます。特に「フレンドリータッチ」や「インティメイトタッチ」をすると、脳の中でオキシトシンが増えていく。すると、非常に気持ち良くいられるのです。タッチコミュニケーションで絆を深めていくためには、お互いの「気持ち」がとても大切です。

私は日本に来て、日本人のタッチに驚きました。あまり公の場所ではしませんが、家族の中で子供が一定の年齢になるまで、しっかりスキンシップを取っているように感じます。例えば、一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝たり。アメリカではこれはダメなのですが、日本では社会として認めていて、とても気持ち良くスキンシップが取れていると思います。

いま私たちは、どんどんタッチが少なくなる社会の中にいるように感じます。
いつ、どこで、誰に、などは十分に意識しながらですが、絆を深めるためのコミュニケーションとして、「タッチ」はとても大切です。みなさんも「タッチコミュニケーション」を考えるきっかけにして、もっとオキシトシンが多い生活を送ってほしいと思います。

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