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過去の放送

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2011年11月 5日放送 矢島稔さん(第1761回)

会場
静岡市立東源台小学校
講師
ぐんま昆虫の森名誉園長 矢島稔

講師紹介

1930年東京生まれ。昆虫学者。
東京の豊島園昆虫館を創設し、
多摩動物公園に日本初の昆虫生態館をつくる。
ぐんま昆虫の森園長を経て、2013年4月名誉園長に。
ラジオの子ども電話相談の回答者もつとめる。


ポイント第1761回「野生から学ぼう」

どの動物園にもいるライオンには皆さんも興味があると思います。
では、どのように動物園はライオンを見せているのでしょうか。
檻の中で暇そうにお腹を出して寝そべっている姿を見て、
子どもたちが「大きな猫だなあ」とか「つまらなそう」とか言っていますね。
それは、作られた状況の中で、退屈している姿を見ているだけだからです。

それはおかしいと、初代の多摩動物公園の園長だった林寿郎さんが提案したのが、
今では多くの動物園で実施している「サファリ形式」の見せ方です。
林さんがアフリカに行って、車の中から草原に住む動物の生態を見てきた経験から発案したのですが、
初めはとんでもないことと役所から反対されました。
でも林さんは本当の姿を見せるにはそうするしかないと粘って、「ライオンバス」を実現させました。

防弾ガラスにへこまないタイヤをつけた戦車なみの頑丈な車で、約1ヘクタールの広い園内をゆっくり走ると、
檻の中では見られないライオン本来の野生の姿が見られます。
ガラスの前にぶら下げた肉をめがけてライオンが食べに来ます。
それを見た子どもはびっくりして泣きだしたり、迫力満点です。
動物の中に人間が入ってゆくという、発想の転換なのです。

チンパンジーは頭がよく、人間の原型と言われます。
多摩動物公園では、石の上に鉄の棒を鎖でつないでおき、固いクルミなどを与えています。
やがて群れの中から、それを使ってクルミを割ることに成功するものが出てきます。
周りのチンパンジーはじっと見ていますが、一頭が成功すると次々とまねし始めます。
これは文化の発生と呼ぶべきものではないでしょうか。

動物園は、「さあ見なさい」という形ではなく、
動物本来の能力を引っ張り出してやることを考えているのです。

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