2007年10月13日放送 中山靖雄さん(第1555回)
- 会場
- 静岡ホーム(静岡市)
- 講師
- 教育評論家 中山靖雄
講師紹介
1940年熊本県生まれ。(~2015年)学習院大学卒業後、公益財団法人修養団に。伊勢青少年研修センター所長などを歴任。全国各地の講演会で命の大切さを伝えた。
第1555回「いいこと思っていい人になる」
日本人の心のベースには「みんな仲良く助け合い」というものがあると思います。この精神は古くから日本人の生活の中に溶け込んでいて、心だけではなく物にも現れています。
例えば着物は少しサイズが合わなくても着られますから、妹が姉のお下がりを着ることもできます。また、提灯は周囲を照らしますが、懐中電灯は一点しか照らしません。
最近感じることは、日本人が代々大切にしてきた生活様式はもちろん、「みんな仲良く助け合い」のような温かい心までも失われつつあるように思います。
こんな話があります。ある人が、ペットボトルに水を入れ、その中にご飯の残りを入れました。一つには「ありがとう」、もう一つには「バカヤロウ」と毎日声を掛け続け、残りの一つには何も声を掛けませんでした。この中で一番最初に腐り始めたのはどれでしょうか。「バカヤロウ」と言われ続けたものだと思うでしょう。しかし、実際は何も声を掛けられなかったものだったというのです。
この時にふっと思ったんですね。人間の体の約六割が水であるとするならば、どうでしょうか?ちょっと恐ろしいですね。私たちは愛情の反対は憎しみであると思いがちですが、実は愛情の反対は無関心なんです。
日本人が失いかけている温かい心、それを取り戻すためにこの言葉を思い出しました。是非みなさんにも覚えてもらいたいと思います。
「いいこと言って いいことして いいこと思って いい人になる これが日本の道」