2008年4月19日放送 和田重良さん(第1581回)
- 会場
- 城南静岡高等学校(静岡市)
- 講師
- くだかけ生活舎主宰 和田重良
講師紹介
1948年小田原市生まれ。東京教育大学卒。NPO法人くだかけ会代表として、くだかけ生活舎(神奈川県山北町)にて、青少年とともに共同生活を送っている。大人も子どもも共に育つことを願いとし"自信"よりも"安心"に重点をおく「くだかけ」の活動を続けて、青少年の良き相談相手になっている。
第1581回「14歳は自己発見期」
私の主宰している「くだかけ生活舎」には、不登校や非行など様々な問題を抱える子ども達が集まります。
ある時、子ども達に「今どんなことに悩んでいるの」と聞いたことがあります。彼らは口を揃えて、「友達が欲しい」と言いました。私からすると、友達なんて作ろうと思えば周りにたくさんいるじゃないかと思うのですが、彼らには深刻な悩みなのです。このことには「自分」ということが大きく引っかかっているのではないかと思います。
例えば、14歳頃の思春期の子ども達は、まゆ毛を整えたり、髪型を気にしてみたり、自分が周りからどのように見られているかということを過剰に気にします。特に異性からどう見られているかという点においては顕著です。
そんな年頃の子どもを持つ親御さんから、どのように家庭教育をすればいいか質問されることが多いのですが、何よりも大切なことは「雰囲気」だと思います。アレをしろ、コレをしろと色々と指図するよりも、いい雰囲気の中で子どもを育てるということです。
そして、もう一つ大切なことは「努力の向き」、つまりどのように努力をしたらいいのかということを具体的に示してあげるということです。「何かやりたいんだけど、何をしたらいいかわからない」という子どもが能力を出し切れずにいるのです。その指針をうまく家庭の中で示してあげてください。