2010年10月16日放送 齋藤孝さん(第1709回)
- 会場
- 大井川公民館(焼津市)
- 講師
- 明治大学文学部教授 齋藤孝
講師紹介
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、
同大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。
専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
「声に出して読みたい日本語」ほか、著書多数。
番組で紹介した本
「1分で大切なことを伝える技術」
著:齋藤孝
発行:PHP新書(税込756円)
「新聞で学力を伸ばす」
著:齋藤孝
発行:朝日新聞出版(税込735円)
第1709回「話がうまくなるコツ 」
多くの社会人が会社の会議で、
上司の話が長すぎると感じています。
家庭では、親の説教が長すぎて、
うんざりしている子どもがたくさんいます。
そこで、話をコンパクトにして
内容を上手に伝えるコツをお話したいと思います。
キーワードは「1分」です。
私は、どんな話でも1分あれば、まとめられると考えています。
特に、親が子どもを注意する時は、短ければ短いほどいい結果を生みます。
長い説教は聞きたくないと、子どもの心が閉じてしまうのです。
1分間で話す時に大切なことは、ポイントを3つ入れる事です。
1つだと物足りなく感じ、3つ以上だと拒否反応が出ます。3つがちょうどいいのです。
そして、1つのポイントを15秒でまとめるようにしてください。
コマーシャルも15秒で多くのことを伝えられます。
私の経験から、日本人は前置きが長く外堀を埋めてから結論を話すので、長くなってしまうのです。
話をうまくするコツのいい題材が家庭にあります。
新聞です。新聞の切り抜きを小学生にやらせたところ、とてもいい効果がありました。
自分の興味がある記事を切り抜き、ノートの左に張ります。
そして、なぜその記事を選んだか、どう感じたかをノートの右に書きます。
そうすると、新聞をきちんと読むようになって理解力が高まり、
社会のできごとに関心を持つようになりました。
さらに、自分が得たニュースとして、人に話したくなるのです。
知識をインプットしただけでは覚えたことになりません。
ニュースを整理して人に話すことによって、自分の知識になるのです。