2012年2月11日放送 こんのひとみさん(第1774回)
会場 | 清水高部小学校(静岡市) |
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講師 | 絵本作家・シンガーソングライター こんのひとみ |
講師紹介 | 息子のために作った子守唄「パパとあなたの影ぼうし」が |
番組で紹介した本 | *番組で紹介した本 「こぐまとめがね」 |
会場 | 清水高部小学校(静岡市) |
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講師 | 絵本作家・シンガーソングライター こんのひとみ |
講師紹介 | 息子のために作った子守唄「パパとあなたの影ぼうし」が |
番組で紹介した本 | *番組で紹介した本 「こぐまとめがね」 |
絵本にはとてもうれしい瞬間があります。
自分のお母さんが読んでくれた絵本を今度は自分が子どもに読み、
またその子が子どもにという風に、次の世代につながっていくことです。
今は流行のスピードが速いですが、絵本だからそれが出来るのです。
私の絵本はほとんどが実話をもとにしています。
<こんのさん朗読:「こぐまとめがね」
大好きなおばあちゃんが亡くなり、一人ぼっちになったこぐま。
おばあちゃんが使っていた度の合わないメガネをかけ、
一人でさびしく暮らしているが、やさしいウサギが毎日どんぐりの実をそっと玄関先に届ける。
ある日、外に出ようとしたこぐまは、そのドングリを踏んで転んでしまい、メガネも壊れて...。>
私も母を亡くした時、失った現実を受け止めるのに時間がかかりました。
トイレで一人倒れ、救急車も間に合わず、私の腕の中で亡くなりました。
次男がその日、出掛ける時に何気なくマンションの階段の下で上を見上げると
おばあちゃんが手を振っていたことを話してくれました。
普段振り返ることなどなかったのに、その日だけ何気なく振り返ったらそうしていた。
「ああ、おばあちゃんは僕が振り返らなくてもいつも手を振っていてくれていたんだ」と思ったそうです。
思春期の頃私は、シングルマザーで頑張っていた母に、ひどい言葉を浴びせたこともありました。
大人になって母の気持ちが分かってきてからも、素直になれなかった。
あんなに突然お別れするなら、もっと素直に「ありがとう」と言っておけばよかったと今さらながら思います。
ストレスフルな社会の中、傷ついていたり心を痛めたりしている子どもの悲しみや不安を考えると、
こぐまのめがねを無理やりはがすことではなく、
ドングリをそっと置いていたウサギのような距離感で子どもたちに向き合えればいいなと思います。