2012年3月24日放送 奥村幸治さん(第1780回)
会場 | 小山町総合文化会館 |
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講師 | NPO法人ベースボールスピリッツ理事長 奥村幸治 |
講師紹介 | 1994年、イチロー選手が210安打達成時に専属の打撃投手を務め、 |
会場 | 小山町総合文化会館 |
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講師 | NPO法人ベースボールスピリッツ理事長 奥村幸治 |
講師紹介 | 1994年、イチロー選手が210安打達成時に専属の打撃投手を務め、 |
12歳以下の少年野球の世界大会が毎年夏休みにアメリカで行われ、
その日本代表監督を2009年から3年間務めました。
楽天の星野監督が全面的に応援してくれています。
15人の日本代表選手が集まって5日間日本で練習してからアメリカに渡りますが、
短期間で12歳の選手たちをまとめるのは大変です。
選手たちの中には、ご父兄がついてくる子もいて、
練習で休憩したり水を飲んだりしていると、
お母さんが子どもの背中を拭いている光景を目にします。
私達のころそんなことをされたら、「お母さんやめて!」みたいになるでしょう。
でも、子どもたちは当たり前のようにしてもらっています。
また、時には「監督、ベルト忘れました」とか
「グローブ置いてきてしまいました」なんていう子もいてびっくりです。
現地の試合は7カ国(アメリカは10チーム)で、
リーグ戦を勝ち抜いた4チームが決勝トーナメントに進みます。
中学生なのに190センチある子とか、決勝戦には3000人の観衆が集まるなど、
日本では出来ない経験をします。
そんな中、日本の野球は、組織がしっかりしていて礼儀正しいと褒められます。
他の国の子どもたちは監督がベンチで話をしていてもあまり聞いていませんし、
試合が劣勢になると、半ばあきらめたようになることが多いです。
その点、日本の子は、最後まで我慢強く戦います。
私も日本の野球はすばらしいと思います。
子どもたちは期間中、現地の一般家庭に宿泊させてもらいます。
1、2年目のころは、そのお宅で部屋に閉じこもって話もしなかったり、
その家の子どものゲームを取り上げて問題になったりしましたが、
優勝した去年のチームは、リビングで家族と会話をしたり、
ホストの家の子ども同士のけんかをなだめたりしていたそうで、
ホストのお母さんが、「今までこんな子はいなかった」と感心していました。
このチームには東日本大震災で被災した東北の子どもが2人入っていました。
他の子どもたちはその子たちから震災の話を聞いて、
野球が出来るありがたさを痛感し、気持ちをひとつにして戦うことが出来ました。