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過去の放送

2015年11月22日放送 高濱正伸さん(第1961回)

会場 相良総合学習センターい~ら(牧之原市)
講師 花まる学習会代表 高濱正伸
講師紹介

1959年熊本県生まれ。東京大学・同大学大学院卒業。
1993年、思考力などを重視した「花まる学習会」を設立。
その後本格的な学習方法を伝授する「スクールFC」を設立。
子どもの「生き抜く力」を育てることを重視した教育が好評。

第1961回「旅をする子は伸びる」

社会に出てから周りを幸せに出来、

ちゃんと飯が食える大人を作りたいと、

塾を立ち上げてから22年、官民一体の体制も出来てきました。

文部科学省もこれからは、

「基盤の力(計算力など)」の上に「思考力」と「実践力」が大事だと

正式に言っています。

マイナンバー制度導入など、

世の中が急速に音を立てて変わっていく中で、

どうすれば社会に出て力強く生きて行けるかを考えなければなりません。

そのためには、お母さんが「私がやらなきゃ」と言うのをやめて、

どんどん旅に出すことが一番です。

まずは3、4歳くらいで、

おじいちゃんおばあちゃんの家に1人で旅をさせる。

これはこの年代の子には大冒険です。匂いも作法も違います。

何でもママがやってくれる予定調和でない経験です。

その次は子ども同士で寝泊まりさせるのがいいでしょう。

勇気を出して山村留学に参加すれば間違いなく強くなって帰って来ます。

子どもに自信をどうつけさせるかということですが、

リンゴを例に取ればリンゴの芯の部分が母親に愛されたという自信、

そしてその外側にある実の部分は、

社会的な自信でできていることが大切です。

それは旅先で、周りから必要とされ、愛され、役に立ち、

褒められるという体験をどれくらいできるかで決まります。

僕自身を例にとると、3人兄弟の真ん中で相手にされず、

あまりしゃべれないような子でしたが、

ある時、算数のテストで図形の難しい問題があり、

それを真剣にやり、自分は出来たという自信がありました。

そして、テストを返すとき先生が、

「みんな出来ていない問題、高濱君だけが出来ていたよ。

しかも学年で1人だけ」と言ってくれました。

その瞬間に僕の中で何かが変わりました。

その一言で僕は算数が大得意になり、

のちに高じてパズルの本まで書いてしまいました。

これが社会での成功体験です。

花まる学習塾のサマースクールに1年生から参加していた

1人の男の子がいました。

お母さんの悩みは友達がいないということ。

大人から可愛がられ、優しく、まじめな子でした。

でも、まじめすぎて子どもの中でポジションがないのです。

彼が6年生になって、夜、星を見に行った時、

別の子が「高濱先生、あの星何?」と聞いてきました。

すると、その男の子が「アルクトゥルスです」と言ったのです。

その瞬間、周りからは「おーっ」という驚きの声。

私は教育者としてここは勝負の時とばかり、ほかの子たちに言いました。

「彼は先生が知らないような星のこと知っていたね。拍手!」と。

翌日から彼のあだ名が「博士」になりました。

他人から本当の賞賛を受けたとき、人は強くなれるのです。

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