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過去の放送

2016年5月22日放送 アグネス・チャンさん(第1986回)

会場 広見小学校(富士市)
講師 歌手・教育学博士 アグネス・チャン
講師紹介

香港生まれ。1972年「ひなげしの花」で日本デビュー。
上智大学、トロント大学を経て米国スタンフォード大学へ。
現在、歌手活動のほか、ユニセフアジア親善大使、
日本対がん協会「ほほえみ大使」などとして活躍。

第1986回「南スーダン共和国 内戦中の子どもたち」

 南スーダンは北がイスラム教系、南がキリスト教系の信者が多く、

また民族的には北がアラブ系、南はアフリカ系という違いがあります。

南北の中間で石油が採れるため、その権利を巡って互いに争いが起き、

断続的に60年もの間内戦が続いています。

独立したのにもかかわらず、内戦が収まらず、

1100万人の人口のうち200万人が難民となり、

40万人が栄養失調の状態です。

その南スーダンに1999年に続いて、去年2度目の訪問をしました。

ジュバという町には多くの平和維持軍がいて、

激戦地ではないものの、多くの傷痕が残っていました。

ある1つの施設へ、日本の自衛隊と一緒に、訪れました。

その施設にいるのは親を戦争で亡くした子どもや捨てられた子ども、

子どもが多くて食べて行けず、親が逃げてしまった子どももいました。

13歳で親が行方不明になったナダちゃんという女の子は、

一緒に住んでいたおばあちゃんも亡くなり、一人ぼっちでその施設に来ました。

彼女は親の話をすると泣きじゃくってしまうほど精神的にダメージを受けていました。

ユニセフが親を探すと、北の方にいることがわかりました。

でも、その親はナダちゃんを引き受けることを承諾せず、まだ説得している最中です。

ユニセフとしてはこうした子どもたちのために精神的なケアをする

カウンセラーを送り込み必要があると感じています。

ピーボルと言うところでは、リハビリを受けている元少年兵たちがいました。

全員が18歳以下の子どもたちです。

彼らは反政府軍の中で戦っていたのです。

1万2千人の兵力の中でなんと4千人が少年兵でした。

1人の子は

「自分の家に兵士がやってきて武器を出せと言われた。

農家だからないと言うと親は殺された。それに抵抗した兄も殺された」と言っていました。

殺されるよりましと、次々に子どもたちが軍に入ったのだそうです。

私たちユニセフは指導者に会い、

ユニセフが受け皿になるから子どもたちを解放してほしいと頼みました。

その指導者も好きで子供を入れているのではないと言いました。

私は「子どもを兵士にしてはいけませんよね」と説得しました。

そして、日本に帰って3か月後、

3千人全員が解放されたというニュースを聞きました。

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